石川航が14位で1次予選通過、プロ転向は「12月までに」決断 兄・遼から「頑張って」


10番第1打を放つ石川航

10番第1打を放つ石川航

 国内男子ゴルフで来季のツアー出場権を懸けた1次予選会の最終日が10日、栃木・杉ノ郷CC(パー72)などで行われ、アマチュアの石川航(日体大4年)が3バーディー、3ボギー、1ダブルボギーの74で回り、通算イーブンパーの14位で突破した。34位タイまでの34人が、10月下旬以降に行われる2次予選会に進出した。総人数の90%が来季ツアーの予選会に参加できる、資格を手にした。

 12位の予選通過圏内で最終日に臨んだ。だが、5番でダブルボギーをたたくなど、前半9ホールで4つスコアを落とし「普通にやれば絶対に通るけど、何が起こるか分からないと感じて勉強になった」。競技委員によると、フェアウェーの一部がぬかるんでいたため、13番パー5は574ヤードからピンを前に出して465ヤードに変更。その13番で60ヤードの第3打をピンそば10センチに寄せてバーディーを奪い、悪い流れを断ち切った。それでも初参加の予選会で「普通の試合と同じようにやったけど、もっと練習しないといけない」と悔しげだった。

 4月の関西オープン(56位)で、ツアーで初めて予選突破。15歳でツアー初優勝を果たし、長年、男子ゴルフ界を引っ張ってきた8歳上の兄・遼(カシオ)の背中を負う航は「やっぱりプロになりたい」とプロ志望を明かした。4月には得意科目の「数学教師」の道も検討していたが、「今は全力でゴルフに取り組むだけ」と道を一本に絞った。まず第一関門を通過し、プロ転向については「最短で12月までに」と見据えた。

 8月のツアー、Sansan・KBCオーガスタでは予選落ち後に兄のプレーを見学し、刺激を受けた。9日には家族LINEで「母と姉は毎日送ってくれるけど、兄ちゃんも珍しく『頑張って』と送ってくれた」と激励もあり、「尊敬している兄ちゃんの背中を見ているので、こんなところでは緊張しない」と強い気持ちを持って挑めた。

 2次予選は10月下旬以降に予定されている。その後、3次予選(場所は未定)、12月初旬の最終予選(宮崎)と続く。「もっと上でやりたい。まずはQT(予選会)でベストを尽くせるように」と表情を引き締めた。

 ◆男子ツアー予選会 1次、2次、3次、最終予選の順に進む。1次予選は8月下旬から9月にかけて全国9会場で開催。各会場34位までが2次へ。2次は10月下旬から5会場で、3次は11月30日から4日間の日程で、3会場で開催。最終予選は12月7日~10日に宮崎・トムワトソンGCで行われる。最終予選で上位に入れば、来季ツアーの前半戦のほとんどの試合の出場権を得る。

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