◆女子プロゴルフツアー 21年メジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 第2日(10日、茨城・静ヒルズCC=6680ヤード、パー72)
11位から出た東京五輪銀メダリストで今季7勝の稲見萌寧(22)=都築電気=が4バーディー、2ボギーの70で通算4アンダーとし、首位と4打差の10位に浮上した。小学6年頃に練習のため、20回近く通った思い出の会場で3連続バーディーなど安定したプレーを見せ、メジャー初優勝を射程に捉えた。勝みなみ(23)=明治安田生命=が8アンダーで、単独首位をキープした。
秋晴れの下、稲見が中盤にスコアを伸ばした。フェアウェーを外したのは3ホールのみと安定したショットを武器に7番で1・5メートル、8番で5メートルにつけると、9番パー5は第3打を10センチに寄せて3連続バーディー。11番では13メートルを沈め、メジャーの難設定の中で連日の70にまとめた。「最初は(残り距離の)番手が合わず難しかったが、距離が合ってくるとバーディーが取れた」とうなずいた。
ツアー優勝を重ねた春先から「目標はメジャー優勝」と言い続けてきた。前週は初日(3日)に左腕を虫に刺され、途中棄権したが、翌日の午前を休養に充てただけで練習を再開。「左腕の違和感も痛みもない」とスッキリした表情で今大会に臨んでいる。
関係者によると、稲見はゴルフを始めて約2年の小学6年時には、今大会会場の茨城・静ヒルズCC内にあるショートコース(パー3が9ホール)を朝から6、7周した後、遅くまで練習場でショットを磨いたという。仕上がったコースでプレーできる利点があり月1、2回ペースで通い、計20回近くは訪れたそう。本人は「小学生の時のイメージを引きずることはないけど、今は今で静ヒルズは別格。難しいイメージしかない」と笑いながら印象を語った。
首位と4打差で残り2日。2週前のツアーでは最終日に3打差4位から逆転優勝しており十分、射程圏内と言える。「ティーショットが大事になる。耐えるところをしっかり耐えていきたい」。冷静に難コースと向き合い、メジャー初優勝をつかむ。(岩原 正幸)