古江彩佳、ツアー史上最大の逆転女王へ1打差2位浮上「残り試合が少ないので、頑張るしかない」


5番、ラインを読む古江彩佳

5番、ラインを読む古江彩佳

◆女子プロゴルフツアー TOTOジャパンクラシック 第2日(5日、滋賀・瀬田GC北C=6616ヤード、パー72)

 4位から出た、賞金ランク2位の古江彩佳(21)=富士通=が首位と1打差の2位に浮上した。7バーディー、2ボギーのこの日ベストに並ぶ67で通算9アンダー。賞金女王争いは9月時点で7248万4074円差あったが、ツアー史上最大の逆転へ好位置につけた。約1689万円差でランク首位を守る稲見萌寧(22)=都築電気=は腰痛を抱えながらも67で回り、6アンダーの5位に浮上した。

 “秋女”の古江が67の猛チャージを見せた。序盤に1つ落とす展開も4番でバーディーを奪い、後半にも4バーディーを量産した。フェアウェーキープ率は100%、7バーディー中、30センチが3回、1メートルが1回と持ち前のショット力を発揮し、1差2位に浮上。「ショットで楽に取れたところがあり、本当に良かった」と表情を緩ませた。

 これまで全6勝を9~11月に挙げ、秋にめっぽう強い。「残り試合が少ないので、頑張るしかないって思ってやっている」と理由を明かす。今年は夏場に欧州遠征を経験し、国内6戦を欠場。隔離などで調整が難しい中、秋に調子を上げ、10月の富士通レディースから連勝し、前週3位と好調を続ける。

 今季(20~21年)42試合消化時の9月、住友生命東海クラシック終了後は賞金ランク4位。首位・稲見と約7248万円差だったが、最近の好成績で約1689万円差の2位まで猛追した。ツアー史上最大差の逆転女王へ、今週を含めて残り4戦。「意識しないといっても(賞金女王を)取りたい意識はあるので(気負いすぎないよう)気をつけたい」と平常心を貫く。

 日米共催で行われた18年大会は当時アマチュアで観客として観戦し、畑岡奈紗(22)の優勝に刺激を受けた。「海外の選手もたくさんいて、迫力を感じた」という思い出の大会だ。兵庫出身で、同じ関西の瀬田GCはこれまで10回ほど回り「地元の試合なので頑張りたい」と発奮材料は多い。上位の小祝、稲見らと高額の優勝賞金3300万円を懸けて争う残り2日へ「自分のプレーをして、アンダー目指して一日ずつやりたい」と力を込めた。(岩原 正幸)

 ◆過去の最大賞金差の逆転女王 1988年のツアー制施行後では、2009年横峯さくらの4389万7868円差が最大。23試合を消化した9月の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯後でランク3位の横峯は、首位・諸見里しのぶに大差をつけられていたが、最終戦のツアー選手権リコー杯を含む3勝と日本女子オープン2位などの成績を挙げて逆転で女王となった。

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