稲見萌寧8バーディー!宮里藍に次ぐ年少2位10勝王手


3番、勝みなみ(右)と笑顔で話す稲見萌寧

3番、勝みなみ(右)と笑顔で話す稲見萌寧

◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 第2日(13日、千葉・グレートアイランドC=6741ヤード、パー72)

 2差3位で出た賞金ランク1位の稲見萌寧(22)=都築電気=が8バーディー、ボギーなし、この日のベストスコア64をたたき出し、通算10アンダーで単独首位に浮上した。2005年の宮里藍(20歳105日)に次ぐ年少2位、22歳108日で節目の通算10勝目を達成し、初の賞金女王へ前進する。約397万円差で賞金ランク2位の古江彩佳(21)=富士通=は71で、9差13位に後退した。

 稲見が腰痛を感じさせない強さを発揮した。1番で6メートルのスライスラインをねじ込むと、5番から3連続バーディーとして首位で折り返した。12番パー3で6アイアンでピン右2メートルにつけると、13番では残り70ヤードからピン手前1メートル半にピタリ。2度目の3連続バーディーなどこの日のベストスコア64で単独首位に立った。「ショットはめちゃくちゃ調子が悪くて」とお決まりの辛口だが、全体では「70点」と完全主義者の稲見にすれば100点に近い自己評価だった。

 1日10時間以上、年中無休の“練習の虫”だが、10月に腰痛を発症後、ショットの飛距離アップと安定性を求めて今年から始めたキックボクシングトレも「一度もできていない」と中断した。大会前も9日に20球、10日はラウンド+10球と練習をセーブ。飛距離は「落ちた」というが、今大会は痛み止めを服用し「いつも通り動かす意識で頑張っている」と感覚を頼りに持ち前のショット力を発揮する。

 稲見が目標とする永久シードを持つレジェンドが、その強さを解説した。今大会に出場しているツアー通算50勝、賞金女王6回の不動裕理(45)は、稲見については「ガンガン攻めるというよりも穏やかなゴルフをする。さりげなくピンに寄って、確実にバーディーを取るタイプ」と分析。今季ツアーでパーオン率1位と高精度のショット、今年改善したパットでのスコアメイクを絶賛した。

 通算10勝目を挙げれば、05年10月の宮里藍の20歳105日に次ぐ年少2位。今大会を含め残り3戦、初の賞金女王に向けても約397万円差に迫るランク2位の古江との差を広げられる。これまで9勝は逃げ切りVが4度、逆転Vが5度だが「どちらでも勝てればいい」と勝利にこだわる姿勢を貫く。(宮下 京香)

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