石川遼が自主隔離違反について涙の謝罪会見 「一人の国民としての認識が甘かった」


謝罪会見した石川遼

謝罪会見した石川遼

◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン プロアマ日(24日、高知・Kochi黒潮CC=7335ヤード、パー72)

 所属先の主催大会の会場内で24日、米国から帰国後の自主隔離期間中にゴルフ場でラウンドしたり、複数人で会食したとして週刊誌で報道され、12月15日までのツアー及び、国内男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)主催試合への1か月の出場停止処分を科された石川遼(カシオ)が、謝罪会見を約45分にわたって行った。以下、全一問一答。

 ―いつ帰国した?

 「10月24日早朝に日本に帰ってきました。ルールはそこからの満14日だと思うので、2週間後の月曜日になって、自主隔離期間が終了する形だったかと思います」

 ―バブル方式で2人なら大丈夫だろうと勘違いした? 確認しなかったのは本当にうっかり?

 「そうです。大変これはもう恥ずかしい話になりますが、このコロナ禍の中で、2年間海外と日本とのツアーの往復が何度もあったと思います。その中で、自宅で自主隔離を行った時と、アスリートに対しての東京五輪関係での特別措置が今年1月に、条件をしっかりと満たした状態であれば練習を行える、ということで、その措置で練習をしていました。当然、五輪が終わり、東京五輪の強化指定選手も無くなる訳ですから。そこは自分のいいように思い込んでしまっていたというか。今回のような形でやはりたくさんの方にご迷惑をおかけしましたし、実際に自主隔離中に、なるべく他の方には接触しない時間帯やルートで練習場に行っていたものの、当然、他のお客様もいらっしゃいましたし。僕に気づく方もいらっしゃいました。その中で自分はルール内でしっかりと練習をしている、と思っていたことは大変恥ずかしいことですし、当時を思い出して、すごく恥ずかしい気持ちになります」

 ―ゴルフの練習は何回したのか?

 「練習は着いた日から完全に自分の思い込みで、ルール内だと思って行動してしまっているので。着いた日から1週間以上練習を続けて、その後2日続けてラウンドもしました。18ホールと9ホール。9ホールの時はコーチと2人だったんですけど、11月の頭に18ホールを回った際に、ゴルフ場の方1名を同伴して回りました。これに関しては自分では良くないことだという認識はあったというか、コーチと2人で行動していること自体もいけないことなんですけども。食事の際に同じ方が入室された際も、本来のルールならばずっと日本にいる方と接触しているので自主隔離のルールには反しますので。自分で厳しく受け止めて、これはルール違反なのでできません、と。会話と接触がありました。なので今回は自分の思い込みもあったかもしれないですけども、それ以前にルール違反をしている食事の点と3人で。完全に自分の甘い判断でした」

 ―飲酒については?

 「基本的には僕とコーチは2人で夕食をとっていて。(午後)6時から7時半頃まで。決まったルーティンで頂く際にほぼ毎日お酒を2、3杯くらい飲んでいました。ゴルフ場の方が2日間加わって同じくらい飲みました。その方は途中で退席されましたけども同じくらいの量を飲まれたと思います。自分のやはり判断が甘かった部分と、そもそも建物から自主隔離中は出てはいけないというルールの認識不足、確認不足というところが今回は。自分はこのような立場にいながら、そこを確認をせずに自分の都合のいいようにとらえてしまっていたんだと思います」

 ―クラブハウス内の個室で食事していた?

 「そうです。(午後)6時頃でほとんど真っ暗で。一般のお客様は5時半頃にはいなくなってはいたんですけども」

 ―日本男子ツアーの看板選手としての責任。選手会理事とJGTO副会長も辞任したが?

 「世界中に、この2年間でも海外を飛び回っている選手もいると思います。しっかりとルールを守って、自主隔離を行っている選手がいる中でやっぱり自分のこの行動というのは本当に大変、他の選手に対しても申し訳ないな、という気持ちでもいますし。本当に自分がズルをしたような結果になっていますので、それをしっかりと受け止めてこの1か月間の出場停止期間を過ごして。反省をして、自分が頑張れる機会が、またチャンスを頂けたらなと思います」

 ―他の選手へは謝罪はされましたか?

 「直接は誰にもお会いはしていません。この会見を今日行うことも、選手の方には伝えていないです。明日から大会が始まる中で、この大会に出場する選手の皆さんに迷惑がかからないように願っています。このような形で、男子ゴルフ界に対してのイメージというところとつなげて、考えられたり、語られたりするきっかけを自分が作り出していたとしたら、本当に責任は大きいと思います。時松隆光選手会長に太平洋VISAマスターズの直前にもかかわらず、すごく大変な思いをさせてしまって。一番迷惑をかけたと思っております。本来は自分一人の責任であり、選手会としてどうするかということに話が発展をしてしまって。選手会長名でお詫びをしたりする姿を、選手会長が試合の直前に、大事な仕事の前にそういった思いをさせてしまって…。一番申し訳ない…。本当に謝らなければいけない人がたくさんいる中で、自分の気持ちの整理がつかずにこのタイミングまでたくさんの方にご迷惑をおかけしてしまっている。本当に自分はその、馬鹿だなと思いますし。太平洋VISAマスターズの週に、選手会の理事のグループLINEで本日申し上げたような細かい事情はLINEで選手会理事の皆様には説明をして。辞任を申し出て、選手会臨時理事会が行われた。辞任が受理されたと発表された前の日の夜に。自分から直接LINEは打って、理事の方からは直接本人から事情を聞くことができたので良かったです、と言ってくれた方もいたんですけども。どう取り返したらいいかというのも正直、わからないですし。とにかく自分を応援して下さっている皆さんに対して、どのようなことができるか。一番はゴルフでお見せするしかないと思うんですけど、しっかりと考えていきたいと思います」

 ―来年の主戦場は日本?

 「その予定でいます。1月から(SMBC)シンガポールオープンがあるんですけど、そこに出場するかどうかというのはこの問題とはまた違った話ではあると思うんですけど、基本的には来年、日本ツアーでやるということはずっと思ってはいます。今はこの期間にしっかりと反省をして、中々まだ次のことは考えられない状況ではあって。本当に今日のこの機会というものを、自分の身勝手な思いでたくさんの方を振り回してしまい、この場を設けて頂いたんですけれども、今日のことをずっと考えていたので。まだちょっと明日以降のことは考えられていないんですけども。自分が頑張れるチャンスを頂けるのであれば、頑張りたいなと思います」

 ―千葉県内のゴルフ場は五輪強化指定選手の時にも隔離場所で使った?

 「そうです。今年1月でしたね。全米オープン後は日本プロで自宅で。3月も自宅で隔離だったと記憶しています」

 ―朝食や昼食はどうだった?

 「朝食は1人でとることが多かった。昼食と夕食は基本的にはコーチと2人で毎日とっていました」

 ―2度のラウンドの状況は?

 「他のお客様が全てスタートをして、一番空きがある時間帯前後。ハーフ回る時は後ろもいない最終組で回っていた。18ホール回った時は、一番遅いスタートのかなり後ろの方で。ただ、後ろの組も1時間後にはスタートしているような形でした」

 ―隔離後、今はどう過ごしている?

 「最初の1週間は太平洋マスターズの週は、何とか体調がもっていたんですけど。太平洋マスターズの火曜日からずっと咳が1週間以上止まらなくて。風邪気味かなと思っていたらなかなか止まらなくて。元々、小さい頃にぜん息をもっていたんですけど、ずっと今は良い状態で。咳がちで練習は一回もしていないです。ずっと家に居て、自分で色んな方にも直接お会いしにいくことはなかったですけど、連絡をとって説明をしたりお詫びをしたりを続けながら。自分では少しちょっと引っかかる気持ちというか。心配をして下さっている方で、直接連絡先を知らない方でも、応援して下さる方に対して十分、自分が何かお伝えできているかどうかの自問の時間がありまして。先週にカシオ計算機の方と契約当初から大変お世話になっている方と数十分お電話していた中で、やはり応援をして下さる方に、直接自分の口からお詫びをすることが必要かもしれないと。自分でもちょっとモヤモヤしていたところがあったが、自分で一日考えて、どのような方法で話をしようかとまた改めてカシオの方にお電話をして相談をさせて頂いて今日、この機会を作って頂いた」

 ―感染症関連の医療従事者に対してへの思い。

 「空港でアメリカから日本に入国する際に、まだ今年よりも去年の方が半分以下のような人数の際から。海外からの日本に入国する方への水際対策というか。コロナ感染対策というところにおいては、非常に重要な部分であるということを一国民として大事なことだとわかっていながら。そこの部分の認識が何度も出国、入国を繰り返していく中で、ルーティン化していたことと前回の措置とが自分の頭の中で混同していた、というと本当に甘いです。自分がそう解釈したいと思ったから、そう行動をしたと思っています。なので実際に、日本にずっといた方とも接触をしてしまいましたし、本当にこれは一人の国民としての認識が甘かったと思っております。なので本当に感染症対策にご尽力を頂いている皆さんに対して、一番本当に申し訳ない行動をとったと思っていますし。そこに対して、今回の処分ということよりも、自分がいかに重く受け止めて今後行動するかだと思っています」

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