1997年生まれ「年男トリオ」片岡尚之、大岩龍一、古川雄大が日本シリーズJTカップ盛り上げる!


練習ラウンドで笑顔を見せる(左から)古川雄大、片岡尚之、大岩龍一

練習ラウンドで笑顔を見せる(左から)古川雄大、片岡尚之、大岩龍一

 男子プロゴルフツアーの今季最終戦、国内メジャーの日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)が12月2日から4日間、東京よみうりCCで開催される。2年ぶりに有観客で行われる大会には、21年ツアーの優勝者や、前週のカシオワールドオープン終了時点の獲得賞金(海外メジャー獲得賞金含む)上位者で30人に達するまでの総勢30人のゴルファーが出場する。

 選ばれし者が集う大会に初出場する1997年生まれの「年男トリオ」がいる。5月にジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品でツアー初優勝を飾ったパット巧者の片岡尚之(フリー)、ツアー本格参戦1年目で賞金ランク22位の大岩龍一(ディライトワークス)、同30位のショットメーカー・古川雄大(ゆうき、フリー)。毎週のように練習ラウンドを回るほど仲が良く、大会中はお互いの順位を意識し合う存在だ。

 そんな3人には、夏から一つの目標があった。「国内最終戦の『日本シリーズJTカップ』で練習ラウンドを一緒に回る」。前述したように、日本シリーズ―に出場するには条件があった。

 片岡は5月の初Vで出場が決定。大岩も本格参戦1年目ながら今年9月までにトップ10入りが7度で、賞金ランク上位をキープしていた。残る古川は、前週のカシオワールドオープンの結果次第で出場可否が決まる位置にいた。「名誉ある試合に同級生で僕だけ出られないのは絶対嫌だった」。なんとか獲得賞金でギリギリの上位30位に食い込み、3人そろって大舞台への切符を手にし、それぞれ祝福の連絡を取り合った。

 指定練習日の11月30日には、夢だった3人での練習ラウンドが実現。いつも通り、和気あいあいとした笑顔が絶えない時間を過ごした。片岡は「楽しかった。まさかこの3人で行けるとは春には思ってなかったので、本当に良かったです」と笑顔。大岩も「1年間一緒にやってきてこの舞台に立てるのはうれしい」と声を弾ませた。

 いずれも初出場だが、大岩は過去に観客として足を運んだことがあるという。世界屈指の飛ばし屋で、昨年大会王者のチャン・キム(米国)のドライバーショットを食い入るように見つめ、初日のプレーを付いて回った。そして今年は選手として出場する。

 記者も「年男トリオ」と同じ97年生まれで、19年大会は観客として母と初めて男子ツアーを観戦した。画面越しに見ていたトッププロの姿を間近で見ることができ、選手にサインをもらったのも大切な思い出。大岩のように、今年は記者として同じ場所に戻ってきたことが重なり、少し感慨深かった。

 女子では渋野日向子や小祝さくら、原英莉花ら98年度生まれの「黄金世代」、古江彩佳、西村優菜、安田祐香ら2000年度生まれの「プラチナ世代」がツアーを席巻。男子ゴルフ界の若手も負けてはいられない。「同じ年代で優勝争いとか試合を盛り上げられたらうれしいし、楽しいですよね」(古川)「盛り上げるためにも頑張らないと」(片岡)とみんな同じ思いを持っている。

 プライベートや練習中は仲良く過ごすが、大会本番となればライバル。古川が「(3人が)28、29、30位でもいいので勝ちたいです」と話せば、片岡も「負けたくないですね。二人とも」と気合。大岩も「お互いに負けたくない気持ちが僕らにはあります」と言葉に力を込めた。最終戦での賞金王争いも必見だが、「年男トリオ」の活躍にも注目したい。(記者コラム・菅原美沙)

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