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4番のグリーンで笑顔を見せる木下稜介(カメラ・竜田 卓)
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー2020―21年ツアー最終戦 日本シリーズJTカップ(12月2日から4日間、東京・稲城市 東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
男子プロゴルフツアーの2020―21季最終戦、日本シリーズJTカップは2日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で2年ぶりに観客を入れて行われる。賞金ランク首位のチャン・キム(31)=米国=を約1239万円差で追う2位の木下稜介(30)=ハートランド=は1日、プロアマ戦後、同じコーチに師事する賞金女王の稲見萌寧(22)に続き、逆転で賞金王を獲得すると誓った。
妹弟子に負けていられない。木下は同じ奥嶋誠昭コーチ(41)に師事し、前週の女子ツアー最終戦で女王を決めた稲見の姿をテレビで見た。「重圧もあって苦しかったと思うけど、本当に気持ちが強い。年下だけど、見習う点がたくさんある」と刺激になった。
前週後はメッセージをやり取りし“辛口エール”に発奮した。「後に続いてください」と稲見に背中を押されたが、自身は前週予選落ち。「調子が良くないんだけどな」と返した。すると、後輩に「まだまだ気合と根性が足りないので、最後くらい見せてくださいよ」とカツを入れられ、「はい、頑張ります」と敬語で返信したという。
「チャンスにつかなかった」という反省を踏まえ、11月29日には奥嶋コーチから約3時間の指導を受け、ショットの修正に努めた。決して本調子ではないが、「何とかスコアをつくりたい。気合で真っすぐ飛ばして、根性でパターを入れる。コーチのためにも男女で賞金王になって恩返ししたい」と“萌寧魂”を継承する。
プロアマ戦で最終調整したこの日は、18番グリーンへ向かう途中、紅葉をバックに笑顔で記念撮影するなど、日本シリーズの雰囲気を楽しんでいる。ツアー大会上位の資格で初出場した昨年と違い、6月に初優勝し、今年は胸を張って「特別な大会」に出場。2015、19年に石川遼とともに大会を制した佐藤賢和キャディー(41)を起用し、「経験を頼りながら頑張りたい」と信頼を寄せた。
トップのC・キムとは約1239万円差で、逆転には優勝か単独2位が条件だ。1973年のツアー制施行後、最多の5人が最終戦に賞金王の可能性を残す中、「優勝しか賞金王はない」。気合と根性を合言葉に4日間を戦い抜く。(岩原 正幸)