エージシュートは2021年12月、月間19回を記録、通算947回を数え、新年を迎えた。
86歳の大まかな足取りを追うと10月14日、長男・伸一さんの誕生日に通算900回の大台に乗せたエージシュートは、11月は20回と順調。12月は気温が急激に下がり強風に悩まされるなど3日連続でエージシュートを逃すなど苦戦もあったが、12月30日、ホームコースのよみうりGCを41,42の83で上がり、めでたく月間19回、通算947回をマークした。
このラウンドには田中さんに刺激されてエージシュートを2回達成している長澤俊雅さん(80)、古い仲間の久家博司さん(81)と筆者が同伴競技者。名人は1トリプル、4ダブルボギーながら3バーディー、3ボギー、7ホールをパーの83、エージシュートに3アンダーはさすがだった。インからスタートして2連続ダブルボギーのあと15メートルのバーディーパットを決め、その後、またまたダブルボギーのあとパーを次々と決めた。後半は2バーディーが先行、上がり2ホールをトリプルボギー、ボギーとしながら41の83。86歳はエージシュートに3アンダーである。“ダボ”“トリ”がありながら、だ。ものに動じないというか、打たれ強いというか、したたかなゴルフにはいつもながら驚かされた。
バーディーが出ると子供のように喜ぶが、ミスしてもしょげない。大たたきしてもめげず、攻める。天気が悪ければ、土砂降りでなくて良かった。寒くても雪じゃなくてよかったね、といい方に解釈を持っていく。
エージシュートを狙えるゴルフを心から楽しんでいる。そこにいることを喜び、努力を楽しむ。
目的を設定したら全力挑戦の田中さん。この年末は連続ラウンド記録がその意欲を高めていた。12月30日連続ラウンド記録は、9月13日以来、1日も休まず連続ラウンドが実に108ラウンド、遂に約3か月半を1日も休まず、続いた。記録への挑戦は31日の大晦日に持ち越され、その日はエージシュートは失敗したが、ラウンド数は109回に達した。
目指すは来年3月3日、87歳の誕生日までにエージシュートを1000回の大台に乗せようと奮闘している名人である。新たに出てきた連続ラウンド記録更新も捨て置けない目標である。「面白がりに火がついた」という。
「ゴルフという素晴らしいスポーツと出会い、エージシュートを積み重ねているうちに次から次へと新しい記録や目標が増えた。健康で長生きをテーマに心身をかけて挑戦、おかげさまで丈夫でここまでやってきた。でも、ゴルフの神様はエージシュートだけではなく、いま、ラウンド数も何回続けられるかな?と課題をくれた挑戦しかない」と燃えている。
そんな暮れの迫ったころ。くだんの仲間、長澤さんらからこんな提案だ。「連続ラウンド記録は、しかし、1月1日元旦には途切れる。元旦ゴルフ場は営業しないからね」。だが「私のホームコースが元旦営業している、カートのセルフプレーだが、回ろうじゃないか」の提案、それがいいと東京国際CCのラウンドが決まった。その顛末は次回に。
◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。86歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。