石川遼、弟・航のプロデビューに先輩&兄としての思い「厳しい道」「静かに…10年くらいは見守りたい」


1番、ティーショッを放った後に笑顔を見せる石川航 (カメラ・馬場 秀則)

1番、ティーショッを放った後に笑顔を見せる石川航 (カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 練習日(13日、兵庫・よみうりCC=7180ヤード、パー71)

 今季2戦目を迎える石川遼(カシオ)が、開幕前日の練習ラウンド後に取材対応。今大会でプロデビューを果たす弟・航(フリー)にゲキとエールを込めて思いを明かした。

 昨年12月にプロ転向を宣言した航は今春、日体大を卒業して、今大会がプロ初戦となる。2週前に行われた今季、国内開幕戦の東建ホームメイトカップでは、航の同級生でもある河本力(フリー)がプロデビュー戦を7位と健闘。そのことに触れつつ、遼は「プロのレベルでも高校生、大学生でやれる選手が増えた。明らかに変わっているし、その中で頑張ってほしいと、兄としては思う」と優しいまなざしを向けた。

 しかし、プロの厳しさを知る先輩としては、無責任なエールを送れない。「(あくまで)プロ『宣言』。僕もそうだけどプロテストを受けて、その門をくぐってという形ではない。逆に言えば、厳しい道をあえて選んでいると思う」。15歳だった2007年のツアー初出場優勝を契機にプロ転向した自らと重ね合わせて、シビアな表情も見せた。航は今季のツアー出場権をかけた昨年の予選会(QT)では最終前の3次で敗退し、ランキングは255位。そのため、今季は下部ツアーへの出場権もない。今大会は主催者推薦での出場で、各大会の予選会を勝ち上がることが基本となる。

 ただ、ずっとそばで見続けてきた弟。「僕の物差しだけど、スイングは航の方がいいので、ジェラシーもある。あれは、持って生まれたもの」と認める才能と、「静かに闘志を燃やすタイプ」という心情も十分、分かっている。「(プロ転向を決断するにあたって)覚悟はあったと思う。自分を持っているので、そこは心配していない。静かに…10年くらいは見守りたい。だから、皆さんもそれくらいで」と報道陣を笑わせつつ、兄らしい気遣いも。将来的な兄弟での優勝争いを振られると、苦笑いしながら「2人同時に上にいるのは、確率論で言えばメチャクチャ低いと思う。一生に1回とかできたら、いい思い出になるかな」とはにかんだ。

 遼自身は、今季初戦の東建ホームメイトカップで予選落ちしており、2戦目の今大会での巻き返しを期す。プロ転向1年目の2008年に優勝を飾った、思い出の大会でゲンはいい。「東建でも初日はアプローチやパッティングで、スコアメイキングできていたのは収穫があった。(状態は)まだまだだけど、いいスコアで回れないわけじゃないと思うし、すごく楽しみにしている」と笑顔を見せた。

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