13歳の天才中学生ゴルファー香川友「みんなすごいし、楽しい」笑顔の6バーディーデビュー


5番でティーショットを放つアマチュアの香川友(カメラ・馬場 秀則)

5番でティーショットを放つアマチュアの香川友(カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 第1日(14日、兵庫・よみうりCC=7180ヤード、パー71)

 中学2年生のアマチュア・香川友(とも、13)=山東CC=がレギュラーツアー初戦を6バーディー、1ボギー、2ダブルボギーの70で回り、1アンダーで7打差60位発進した。ベストスコア「62」、スポンサー6社を抱える“天才中学生”が鮮烈デビュー。15日の第2日でアマ史上最年少予選通過を狙う。プロデビュー戦だった石川遼(30)=カシオ=の弟・航(22)=フリー=は10オーバー147位。63の阿久津未来也(27)=六甲国際GC=が8アンダーで首位。

 1926年から87回目を迎えた日本最古のオープントーナメントで、13歳の香川が話題をさらった。難コースで1アンダーデビュー。「あまり緊張しないんです」という言葉通りの堂々たるパフォーマンス。身長170センチ、体重95キロの少年は、報道陣に囲まれても動じなかった。

 3月の今大会のアマチュア予選競技(126人出場)をトップ通過し、挑戦権を獲得した。最高300ヤード超を誇るドライバーショットに、小技も巧みに6バーディーを重ねた。後半15番まで5アンダーで一時、首位と1打差2位に。16、18番のダブルボギーに泣いたが、「ちょっとしたことがダメだったかな」と、あくまで冷静だった。

 キャディーの父・正宏さん(50)は約25年前に脱サラし、千葉県野田市内に「関宿ゴルフセンター」を開業。そこで、香川は1歳からプラスチック製クラブを握った。次第にゴルフの魅力にはまり、幼稚園の年長時には、憧れのフィル・ミケルソンを生観戦するために米コロラド州へ。練習ラウンドからついて回り、その時にもらったボールは今でも宝物だ。

 小学2年生の終わりには意識したというプロとの初ツアーに「みんなすごいし、楽しい」と笑顔のラウンド。同組で回ったツアー30勝のベテラン・倉本昌弘(66)は「53歳違うんだよ。素晴らしい感性を持っている。球も飛ぶし、体も大きく、あいさつもできる。プレーも遅くない。しっかり伸びてほしい」と、今後の成長を楽しみにした。

 第2日で60位以内(アマチュア除く)に入れば、09年・VanaH杯KBCオーガスタでの伊藤誠道(14歳21日)のアマチュア最年少予選通過記録を更新(13歳258日)する。「予選通過して、上位を目指したい」と香川。将来の目標はマスターズ制覇。大きな夢を持つ“大器”が歴史的な一歩を刻むか。(宮崎 尚行)

 ◆香川友(かがわ・とも)アラカルト

 ▼生年月日 2008年7月31日。13歳。千葉県出身。

 ▼身長、体重 170センチ、95キロ。父・正宏さんは「去年から身長で5、6センチ、体重は5キロ増えた」と現在、成長期。

 ▼ゴルフ歴 1歳から父の経営するゴルフ場で始める。野田市立中央小から野田市立第一中に進学。小学6年の20年10月に茨城・鉾田市のザ・ロイヤルGCで開催された男子ミニツアー「チャリティトーナメント ザ・ロイヤルゴルフクラブ」では優勝したプロと同スコアの67で、断トツでベストアマに輝いた。

 ▼スポンサー YOSHU、明治安田生命、すしざんまい、けんせつパーク、釣八、カワイコーポレーション。

 ▼ウェッジが好き!? 「いろんな打ち方を研究するのが面白い」と熱心で、約100本所有するウェッジは自分で削ったものも。今大会では3本(48度、52度、58度)使用し、58度は自ら削った。

 ▼趣味、特技 海釣り、サーフィン、スケボー。サーフィンは幼稚園から遊びで通い「スイング上で、バランスが崩れない」とゴルフにも生きている。

 ▼好きな食べ物 吉野家の牛丼で「練習後の遅くにあいているのがいいけど、昼間でも毎日でもいい。超特盛りと豚汁で」。スシは最高25皿をたいらげ、好物はマグロ、いくら。

最新のカテゴリー記事