比嘉一貴、14アンダーで逃げ切りV メモ魔返上し体幹強化「オフの取り組みが結果につながった」


優勝カップを手に笑顔を見せる比嘉一貴

優勝カップを手に笑顔を見せる比嘉一貴

◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 最終日(17日、兵庫・よみうりCC=7180ヤード、パー71)

 2打差首位から出た比嘉一貴(26)=フリー=が2バーディー、1ボギーの70で通算14アンダーで逃げ切り優勝を果たした。昨年8月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ以来、ツアー通算3勝目。2戦目で今季初Vを飾り、目標に掲げるシーズン複数回優勝&賞金王争いへ、好スタートを決めた。昨年覇者の星野陸也(25)=興和=は、1打差及ばず2位で連覇はならなかった。

 飛躍を期すシーズンで、比嘉が幸先良く勝利を奪った。最終18番でパーパットを沈めると、駆けつけた仲間から歓喜のウォーターシャワー。「オフに取り組んできたことが、結果につながってきた。頑張って良かった」と喜びをかみしめた。

 2つの変化で進歩した。オフに腹筋の弱さなど弱点を分析し、トレーニング内容を変更。「メチャクチャやった」という体幹を中心とした自重トレで、スイングの各数値が向上。1打差に迫られた18番の284ヤードのバンカー超えティーショットは「去年だったら越せてない」と胸をはった。

 ツアー31勝の大先輩、片山晋呉(49)から今季開幕前に食事をともにした際、「もっと感覚でやった方がいいんじゃない。いいものを持ってるから、それを大事にやった方が」と助言を受けた。リーディングブックにさらに情報を書き加えるほどの“メモ魔”を返上。メモを持たない新スタイルもはまり、最多21個のバーディー以上を積み上げた。

 「最終的にはメジャーで活躍したい」と海外志向は強いが、まずは国内で成果を重ねる。今季目標の複数回優勝も「2勝とは思っていない」。自信をつかんだ男の言葉は力強かった。(宮崎 尚行)

 ◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、うるま市生まれ。26歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里藍さんの父・優さんに師事。東北福祉大では15年ユニバーシアード団体&個人で金メダル。16年の日本オープンでベストアマ。18年は賞金ランク60位で初シードを獲得。19年は同14位で、昨季は同13位。158センチ、70キロ。

最新のカテゴリー記事