日本エージシュートチャレンジ協会の「エージシュートチャレンジ大会」は5月31日、山梨・レイクウッドGC東コース(6221ヤード、パー72)に48人が参加して行われ、エージシューター、田中菊雄さんは45、36の81、エージシュートに6アンダーの好スコアでただ一人エージシュートを達成した。
同協会が発足して協会員が一堂に集まりエージシュートを目指す初の公式大会。あいにくの朝からの雨で苦戦を強いられアウトを45と出遅れたが、最高齢87才はグロスで2番目の好スコアをマーク、他を寄せつけぬ圧勝だった。ホールアウト後の表彰式で「健康で長生きが人生の前向きな目標となった今の世の中は望むところ。今日はあいにくの雨模様の前半は45、これはいけないと身を引き締めたインは1バーディー、1ボギーの36。おかげさまで81。エージシュートは今日で1043回になりました!」とあいさつすると、表彰式場は盛大な拍手と感激交じりの歓声であふれた。
06年8月29日、71歳、スコア70から始まった16年にわたるエージシュート記録は、3月3日、87歳の誕生日を迎えたその日に987回を数え、その21日後の3月24日、ついに1000回。その勢いは衰えず、ついにこの日は1043回まで数えた。87歳になってからわずか2か月余で56回を上乗せするバイタリティー、進化といっても過言ではない動き。ただ、驚くしかない。
この日、白の愛車に同乗をお願いし神奈川・川崎市の自宅を午前6時半出発、筆者は運転を担当(?)するつもりだったが、拒否された。田中名人、他のゴルフ仲間のバッグを積み込むのからすべて処理して無駄がない上、そのドライビングテクニックは舌を巻くうまさ。「商売がもともと運送屋だから車の運転はゴルフより年季が入っている、任せなさい」と往復、ハンドルを握った。驚いたのはその無駄のなさであった。会場のレイクウッドGCは東名高速道を約1時間走るが、安定した一定速度でよどみなし。その気持ちよさをどう伝えたらいいのかわからない。そう、ドライバーを230ヤードから250ヤードを飛ばす名人の強さ、うまさはこれまでも何回も紹介したが、アプローチの巧みさ、それに倍するパットの妙こそエージシュート名人の奥義だが、誰もが驚く、そのしたたかさにつながってくる。ゴルフをわかった人がやるからエージシュートが際限なく出る。だからゴルフがうまい、としか言えない。田中ゴルフの真髄、あるいは神髄?次回からそんなあたりをご本人に聞いてみようと思っている。
◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。87歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。