ツアー2戦目の18歳の新人・桜井心那が大健闘の1差2位 「良い意味での威圧感、オーラがすごかったです」


最終日にプレーする桜井心那

最終日にプレーする桜井心那

◆女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 最終日(7日、札幌国際CC島松C=6557ヤード、パー72)

 18歳の新人・桜井心那(フリー)は1打差3位スタートで6バーディー、1ダブルボギーの68で回った。通算8アンダーで惜しくも1打及ばず、日本人ツアー最速記録(20年NEC軽井沢72の笹生優花)に並ぶ2戦目での初優勝は逃した。

 首位のイ・ミニョン(韓国)と1打差の2位で迎えた最終18番パー5。入れればプレーオフとなる2Mのバーディーパットは、惜しくもカップ左に外れた。桜井は苦笑いでその場にしゃがみ込んだ。「リズムだけ意識して打ったが、思ったよりも左に出てしまって。自分にはまだ早かったんだなと思いました」。

 下部のステップアップツアー、今季賞金ランク1位の実力は存分に発揮した。1打差3位から自身ツアー初の最終日最終組。上田桃子、鈴木愛という歴代賞金女王を相手に大健闘を見せた。序盤こそ緊張が見られ、2番パー3で第1打をグリーン左の谷底に落とし、ダブルボギーが先行。ところが「これであんまり注目されないかな」と肩の力が抜けた。

 その後は持ち前のショットでピンを攻め続けた。7番と9番は1・5Mにつけて伸ばし、3差4位で運命のサンデーバックナインへ。10番、11番で2Mにつけて連続バーディー。14番で3Mを沈めると、1打差2位まで追い上げた。17番で8Mのフックラインを沈めて伸ばし、ギャラリーを熱くさせた。

 スコアでは同組の上田、鈴木を上回る68。とはいえ、賞金女王経験者2人のゴルフと振る舞いに感嘆したという。「本当に立ち居振る舞いも堂々としているし、良い意味での威圧感。強そうという雰囲気もありますし、オーラがすごかったです」と振り返った。ツアー屈指の実力者2人と回った初の最終日最終組で得た収穫も大きかった。「2人ともすごく上手で。2打目のつける位置は安全に上りのラインにいくし、上りのラインにアプローチもしっかりとつける。2Mのパーパットも沈める。見習わないといけない。私の(将来的な)目標が賞金女王になることなので、こういうプレーをすればいいんだな、というのが少しですけど、勉強できました」と感謝した。

 長崎日大高3年時に全国高校ゴルフ選手権(緑の甲子園)個人戦女子で長崎県勢として初優勝。昨年11月のプロテストに合格し、長崎県勢24年ぶり6人目のツアープロとなった。今季下部ツアー8戦で、4度のトップ5入り。賞金ランク1位(735万500円)につけている。その勢いを、北の大地でのレギュラーツアーでも見せつけた。3位に入ったことで、次週のレギュラーツアー、NEC軽井沢72(12日開幕・長野)への出場権も獲得した。

 「最終日最終組で回れたのもビックリしたし、この成績は信じられない。運もあると思いますが、ここまでできる力は少しはついてきているんだな、と自信にはすごくなりました」とうなずいた。将来的には「賞金女王と日本女子オープン優勝が目標です。それに向けて経験を積んでいきたいです」と桜井。将来性豊かな18歳の高卒ルーキーは、北海道で大きな一歩を踏み出した。

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