堀川未来夢、日大で4年間“第二の地元”でメジャー2勝目 「海外にも挑戦したい」


優勝を決め仲間からの水を浴びる堀川未来夢(カメラ・今西  淳)

優勝を決め仲間からの水を浴びる堀川未来夢(カメラ・今西 淳)

◆報知新聞社後援 ▽日本男子プロゴルフツアー メジャー第2戦 日本プロ選手権 最終日(7日、静岡・グランフィールズCC=7219ヤード、パー71)

 3打差の首位で出た堀川未来夢(29)=Wave Energy=が通算15アンダーで逃げ切りツアー通算3勝目を飾った。4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70。2019年日本ツアー選手権森ビル杯に続くメジャー2勝目となった。日大時代の4年間を過ごし、思い出が詰まる“第二の地元”に恩返しも果たした。片岡尚之(24)=フリー=がベストスコアタイの65と伸ばし、12アンダー2位。

 堀川が思い出の詰まった地で歓喜に浸った。18番。約10センチのウィニングパットを決めると、グリーン脇で待機した同じ日大出身で3位に入った吉田泰基(24)=東広野GC=らにウォーターシャワーで祝福され「この地で優勝することが一番の恩返し。優勝できてうれしい」。日大ゴルフ部の後輩15人も翌日に埼玉で合宿が控える中、駆けつけ「18ホール歩いて応援してくれた」と感謝した。

 序盤の大ピンチを乗り越えた。3番パー4。第1打を右に曲げ、林で球の上の落ち葉をどかそうとしたら「あれ…」。自身の球ではなかった。その後捜索し、危うく誤球やロストボールの恐れがあったが、後輩学生の一人が「あります」と見つけて安ど。約30メートルの崖下から2打目で出し、105ヤードのラフから第3打は目前の木を避けた低い弾道で1メートルにつける好ショット。「まさかパーで上がれるとは」と息をついた。

 大学時代から合宿し、熟知するコース。「グランフィールズはティーショットが難しいので」と650ヤードの17番パー5も3ウッドで攻めるなど刻み、ドライバーを握ったのはパー3を除く14ホールで6回だけ。“地の利”を生かし、結局一度も首位を譲らず逃げ切った。

 学生時代を過ごした三島は「実力が上がった」という思い出の場所。アマチュア時代にレギュラーツアーは全5戦で予選落ち。大学3年で一時はプロの夢を諦めて一般企業へ就職も考え、「TBSさんに入りたいと思っていた」と明かす。だが、同じゴルフ部の仲間から刺激を受け「あと1年」と踏ん張り、プロの今がある。現在もオフの3月にはコーチとして学生に指導もしている。

 メジャー2勝目をつかみ、翌年から5年のシード権を手にした。「海外にも行きたい。アジアやヨーロッパツアーのQT(予選会)にも挑戦したい」と次なる夢を描いた。(宮下 京香)

 ◆堀川 未来夢(ほりかわ・みくむ)1992年12月16日、神奈川・厚木市生まれ。29歳。父の影響で4歳からゴルフを始め、2012、14年関東アマ優勝。日大を経て14年プロ転向。15年に賞金ランク41位で初シード。19年メジャーでツアー初優勝。昨年11月のカシオワールドオープンで2勝目。名前の由来は「未来に夢を持ってほしい」と父が命名。176センチ、84キロ。

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