◆男子プロゴルフツアー ▽フジサンケイクラシック 第1日(1日、山梨・富士桜CC=7541ヤード、パー71)
1勝の片岡尚之(24)=フリー=が、7アンダーで自身初の単独首位発進。7バーディー、ボギーなしの64で回り、2年前にプロデビューした原点の地で成長した姿を見せつけた。パットを武器に昨年5月以来の2勝目に挑む。新人ではツアー初となる初Vからの2週連続優勝を目指す和製大砲・河本力(22)=フリー=は、3打差7位と好位置で滑り出した。
思い出の詰まった富士の麓で、片岡が初めて首位発進を飾った。小技がさえて7バーディーを量産。10番で4・5メートル、11番で5メートルを沈めて連続バーディーで飛び出すと、1番で13メートルを決めて伸ばしてトップに躍り出た。「10番、11番と難しいホールでいい流れでいけた。今日はアプローチとパターが良かったですね」と端正なマスクを崩した。
コロナ下の20年は9月のこの大会が開幕戦となり、プロデビューを果たした。74、72の通算4オーバーで1打及ばず68位で予選落ち。初日の18番パー4では、第1打を右に80ヤードくらい曲げて2打目は出すだけ。3打目をグリーン左奥に突っ込んで3パットのトリプルボギー。プロの洗礼を浴びた苦い思い出は「今も鮮明に覚えています」と笑う。
昨年のこの大会は19位。今季は未勝利も得意のパットを武器に8月のメジャー、日本プロ選手権2位に入るなど賞金ランク14位につけている。サッカー元日本代表DF内田篤人さん似と評判のイケメンで昨年の初勝利でブレイク。女性人気も急上昇中の24歳は「ちょっとずつ成長して戻ってこられているんで、うれしいです」。距離の長さがツアー上位の難コースとあり、「自分の成長を確認するにはいいコース」と腕試しに持ってこい。“貴公子”は日本一の富士山をバックに2勝目をつかみ取る雄姿を思い描いている。(榎本 友一)
◆片岡 尚之(かたおか・なおゆき)1997年12月28日、北海道江別市生まれ。24歳。2歳からゴルフを始める。札幌光星高2年時の2014年、北海道アマを最年少記録で優勝。同年は日本ジュニアで北海道勢初の優勝を果たし、日本アマでもベスト8。16年に東北福祉大に進学。4年時の19年にプロ宣言し、昨年5月のジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品で初優勝。171センチ、67キロ。