福井生まれ中国育ちセキ・ユウティン、日本ツアー6年目で初優勝「次はメジャーで勝ちたい」


ツアー初優勝を果たしトロフィーを掲げるセキ・ユウティン(カメラ・今西 淳)

ツアー初優勝を果たしトロフィーを掲げるセキ・ユウティン(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー ゴルフ5レディス 最終日(4日、千葉・ゴルフ5Cオークビレッヂ=6465ヤード、パー72)

 首位と4打差の10位からスタートした中国のセキ・ユウティン(24)=ミツウロコグループホールディングス=が1イーグル、8バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの出入りの激しいゴルフで66で回り、通算12アンダー。前年覇者の吉田優利(22)=エプソン=とのプレーオフの末に初優勝を飾った。福井県出身でモデルのような171センチの長身を生かしたダイナミックなゴルフが持ち味。ツアーにまた新たなタイプのヒロインが誕生した。

 まさに山あり谷ありを乗り越えて、セキは勝利にたどり着いた。13番パー5で残り191ヤードの第2打を4Uで3メートルにつけてイーグル奪取。2位に2打差をつけてトップに立ったが、14番でボギー。さらに15番では第1打が右のカート道に跳ねた後、谷に消えた…。痛恨のOBでダブルボギーをたたき、首位から転落した。

 「もう無理かな…。一瞬、そう思ったけど、諦めずにプレーした」。16、17番で連続バーディーを奪い、再び単独首位に立った。

 最終組の吉田が追いつき、プレーオフに突入。2ホール目でバーディーを奪い、日本ツアー参戦6年目で初優勝。感動の涙を流した。

 福井で生まれ、5歳で中国へ。18歳で中国ツアー賞金女王に輝いた。しかし、日本ツアーでは苦戦が続いた。「50センチのパットをショートすることもあった」と田中弘記キャディー(47)は明かす。「自分は天才だと思っていた。謙虚になるまで時間がかかりました」と振り返る。今、真剣にゴルフと向き合っている。「私の年齢は彼氏と遊びたい年頃。でも、ツアーで戦っている以上、難しい。いろいろなことを諦めなければいけない」と言う。

 ダイナミックなゴルフと愛くるしいルックスで日本でもファンは多い。「周りの皆さんへの感謝は忘れません。次はメジャーで勝ちたいです」。ニューヒロインの笑顔は輝いていた。(竹内 達朗)

 ◆セキ・ユウティン 1998年3月5日、福井県生まれ。24歳。5歳まで日本で生活し、その後、中国・上海に移住。7歳からゴルフを始める。中国南山学校、上海体育学院出身。2014年にプロ転向。16年に18歳で中国ツアー賞金女王。17年に日本ツアーデビュー。19年に日本のプロテスト合格。これまでツアー最高成績は21年パナソニックオープンの3位。家族は両親と妹。171センチ、63キロ。

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