◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 第1日(15日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)
第1ラウンドが行われ、プロ2年目の19歳・長野泰雅(たいが、福岡地行)が7バーディー、ボギーなしの65をマークし、7アンダーでホールアウト。現時点で大会2勝の池田勇太に続く、1打差の暫定2位と好位置につける。
前半で3つスコアを伸ばすと、後半でさらにギアを上げた。3番でグリーン手前6ヤードからチップインバーディーを奪うと、4番はショットで1メートル半につけた。5番パー5(520ヤード)は持ち前の飛距離を生かして2オンし、3連続バーディーで伸ばした。最終9番パー5(541ヤード)も2オンしてバーディーで締めた。「ティーショットが結構フェアウェーを捉えていて、バーディーチャンスが多かった。風もなかったのでやりやすかったです」と納得の表情で振り返った。
今大会はマンデートーナメントを突破し、出場権をつかみ取った。名門の札幌GC輪厚Cは「コース自体は好きです」と相性もいい様子だ。これまでのツアーではゴルフを始めたきっかけでもある父・清一さんがバッグを担ぐ試合もあったが、現在はタイに「2か月ほど」旅行中といい、今回はツアーで初めてハウスキャディーを起用した。
中には歴19年のベテランもいる中で、4歳上で学生アルバイトの千葉美都理キャディーとタッグ。「ツアーでキャディーをするのは初めて」という千葉さんに旗ざおを抜くタイミングなどを“助言”しながら若者同士で終始会話も弾み、“ほんわかムード”で18ホール回り終えた。長野はグリーン上のラインも「全部自分でやりたい」タイプといい、「一緒におりやすい方がいいです」と好スコアにも結びつけた。
キャディーの千葉さんは地元の北大歯学部2年生で、同大のゴルフ部に在籍。両親がゴルフをしていたそうで「美都理」の名は「グリーン」が由来という。最近ゴルフを始め、ベストスコアは90。実は前日まで観客の「誘導係」の担当で急きょバッグを運ぶことに。キャディーの業務は「緊張しました」とラウンドを終えて安どの表情だが、プロのプレーを間近で眺め「圧倒されました。飛距離も飛ぶし、何もかもすごい」と声を弾ませた。
前週、女子では日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯で19歳の川崎春花がメジャーでツアー初優勝の快挙を成し遂げた。同学年の長野は「女子は強いんで、負けられん」と出身の博多弁で闘志を燃やした。これまで10代でツアーを制しているのは1973年のツアー制施行後、石川遼、松山英樹、黄重坤(韓国)の3人だけ。史上4人目の快挙へ、19歳が突き進む。