地球温暖化の影響はこんなところにも表れているのだろうか?9月というのに台風が九州・宮崎を襲い、その数日後には静岡にも被害を及ぼした。台風といえば、以前は8月末に吹き荒れたと記憶しているが、今年は地域や時期も変わって今後、心配の種になりそうだ。さて、そんな中、われらが名人のエージシュートは順調に回数を進め1000回を大きく超えて1100回の大台突破中。87歳はますます元気である。今回は会長を務める「日本エイジシュートチャレンジ協会」主催の第3回「エイジシュート・チャレンジカップ」大会の競技報告である。
一般社団法人、日本エイジシュートチャレンジ協会を立ち上げて4年、大会は9月12日、今年も東京・多摩丘陵の桜ケ丘CCに130人が参加、男子は6353ヤードの白ティー、女子はゴールドティーの18ホール、年齢をハンデとするネットスコアで争った。参加者には20歳の女性も参加、40歳越えのベテランから最高齢が91歳のエージシューターまで、にぎやかな顔ぶれとなった。その結果、優勝は87歳、名人・田中菊雄さんが45、44、89。エージシュートには残念ながら2打足りなかったが、ネット2オーバーで優勝はさすがだ。これで大会は3連勝である。
2位にはエージシュート400回を越える91歳、最高齢の遠藤芳作さんが96、ネット5オーバー、3位には300回余のエージシューター、85歳、吉田幹生さんが90、ネット5オーバーで食い込んだ。(年齢多い方が上位)。女子は75歳の菊池栄子さんが42、42、グロス84の好スコアで優勝した。
参加130人、プロトーナメントとほぼ同規模の参加人数とあってコースは1日貸し切りで行った。コロナが終息に向かう中、まだ気は許せない、パーティーはなし。参加者は、順位に従い、大会本部で賞品を受け取ると密を避け、三々五々、帰宅の途につくなど気を使った。
田中さんは昨年の第2回大会では82で楽々、エージシュートを達成、エージシュート通算877回目と伸ばした。が、今回は2打足りなかった。この日はスタートからボギーが続き、5番ホールで5オーバーと珍しく不調、インで調子を上げたが、終盤にダブルボギーが出てエージシュートを逃した。
今回は前日の9月11日、ゴルフ日本シリーズの舞台、難コースで知られる東京よみうりCCを85のエージシュート、通算1118回を記録して絶好調だっただけに意外な結果となってしまった。だが、全く悪びれることなく「ゴルフは人生と同じ、紆余曲折がある。もっと頑張れとゴルフにいわれてしまった。」“アハハ”と笑い飛ばした。大会会長として早朝1番でスタート、大会前の準備からこの日のピンポジションの設定まで、全力でこなした。
午後1時過ぎにはホールアウトしたが、その後は昼食もとらず、上がってくる全組のカートをクラブハウスのキャディハウス前で待ち受け出迎えるなどの気遣いを見せた。「130人を超える人がこうして集まってくれた。皆さん、今日はどうでしたと、自分のことより私のスコアを心配してくれる。こんないい友人たちがいて私のエージシュートがある。お礼を言わなきゃ罰が当たる」と駆け回るのだった。
田中さんはレイトゴルファーである。年を重ねてからゴルフを始めた、という意味である。35歳で始めたゴルフライフは87歳のこの夏で53年目を迎えた。70歳で初めてエージシュートを達成してから18年である。エージシュートは85歳以降、年間200回越えは2年連続、すでに今年は9月12日現在130回を越え例年を超えるハイペースで増え続けている。年間回数記録は86歳時の246回まであと110数回。これまでのペースでいくとかなり早い時期に年間最多記録が生まれることになる。
そして、さらにこんなうれしいデータも。チャレンジ協会を立ち上げて4年、集まった会員から新たなエージシュート達成者が6人も誕生している。「コロナ禍、何かと腰が落ち着かず居心地の悪さが気持ち悪い中、前向きな姿勢には良い報いがあった。何よりうれしい」と名人は喜んでいる。長く不安な夏も過ごし方次第、名人が元気を振りまいた。
〇一般社団法人「日本エイジシュートチャレンジ協会」では,エージシュートを目指し元気で長生きを目指す運動に参画する会員を募集しています。入会ご希望の方は 電話070-2329-1255 協会事務局へ。
◆田中 菊雄(たなか・きくお) 1935年3月3日、島根・松江市生まれ。87歳。神奈川・川崎市を拠点にリフォーム、食品など5社、社員400人を抱える「北山グループ」取締役会長。東京・よみうりGCなど4コース所属、ハンデ5。初エージシュートは06年8月、71歳のとき静岡・富士国際富士コースを70で回った。173センチ、65キロ。