松山英樹が9057人沸かせた 5バーディー66で10差31位「50台を出さないと…」


8番で第3打バンカーショットをカップに直接入れてバーディーを奪った松山英樹。通算4アンダー31位に浮上した(カメラ・今西 淳)

8番で第3打バンカーショットをカップに直接入れてバーディーを奪った松山英樹。通算4アンダー31位に浮上した(カメラ・今西 淳)

◆米男子プロゴルフツアー ZOZOチャンピオンシップ 第3日(15日、千葉・アコーディア習志野CC=7079ヤード、パー70)

 第3ラウンドが行われ、49位で出た昨年覇者の松山英樹(30)=LEXUS=は5バーディー、1ボギーの66をマークし、通算4アンダーの31位に順位を上げた。来場した9057人のギャラリーを終盤7、8番の連続バーディーで沸かせた。首位と10打差で連覇は厳しくなったが、最終日も日本のファンを熱くする。13位で出た久常涼(20)=SBSホールディングス=が65で回り、9アンダーで日本勢トップの8位に浮上した。リッキー・ファウラー(米国)が14アンダーで首位を守った。

 球の転がりを目で追いながら、松山はウェッジを持った左手を高く掲げた。それを合図に、第3打がカップに消えた。後半8番。グリーン左手前のバンカーからバーディーを奪った。「トップとの差を考えると8、9アンダーが必要だった。それができなくて残念だが、8番で入ってくれてギャラリーのみなさんも喜んでくれたかなと思う」。この日一番の歓声を全身で浴びた。

 最終日につながる終盤の連続バーディーだった。「7番、8番でバーディーを取れたので、そこだけ良かった」と話したムービングデーのラウンド。10番から出ると3つ伸ばして折り返した。初日からもどかしさを募らせてきたグリーン上は「前半は良かったけど、後半になって少し分からなくなってしまった」。1、2番とバーディーパットはショート。天を仰ぐ展開が続いた。「『やっと』っていう気持ちと、ギャラリーのみなさんが沸いてくれたので、ホッとした」と笑顔で振り返ったのは7番パー3。3メートルの下りのフックラインを沈めると、笑みを浮かべた。

 この日もスタートからホールアウトまで、大勢のギャラリーを引き連れた。チャンスを量産しながら、勝負どころのパットがまるでカップを避けるように一筋ずれる。それでも「松山英樹のプレーが見たい」というファンの思いに応えようと一打に向き合い続けた。ホール間の移動で「次は入るよ!」との声が飛んだ。松山の耳に、しっかりと届いていた。「すごくうれしかった」と頬を緩めた。

 トップとは10打差。連覇は厳しくなったが、最終日も高みを目指すだけた。「50台を出さないと勝てないと思うけど、頑張っていきたい。チャンスはなかなかないと思うが、自分のベストを尽くしたい」。1年ぶりの日本でのプレー。心躍るたくさんのバーディーを、ファンに届ける。(高木 恵)

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