ツアー最小158センチ比嘉一貴、小技駆使して首位浮上「体格差関係ない」同組は185センチのスコット


11番、ティーショットを放つ比嘉一貴(カメラ・馬場 秀則)

11番、ティーショットを放つ比嘉一貴(カメラ・馬場 秀則)

◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本オープン 第2日(21日、兵庫・三甲GCジャパンC=7178ヤード、パー70)

 第1ラウンド(R)残りと第2Rが行われた。今季3勝で5位から出た比嘉一貴(27)=フリー=が6バーディー、2ボギーのこの日ベスト66で、通算6アンダーの首位タイに浮上。6月のBMW 日本ツアー選手権森ビル杯に続くメジャー年間2勝なら17人目(25例目)となる(73年のツアー制施行後)。2日間同組の13年マスターズ覇者アダム・スコット(豪州)に飛距離で圧倒されたが、得意の小技を生かした。

 ツアーメンバー最小・身長158センチの比嘉は得意のショートゲームでメジャーの難設定を攻略し、この日ベストの66でトップに立った。開始10番で5メートルを沈めると、前半に4つ伸ばした。後半の7番パー4は30ヤードから第3打を1メートルに寄せ、パーセーブ。「アイアンショットの調子に比べボギーが少なく、アプローチでしのげた」とうなずいた。

 身長が27センチ高い185センチで元世界ランク1位のスコットに飛距離では置いていかれた。「飛距離がえげつない。50ヤード以上離された」と脱帽した。それでも今季の国内賞金トップは小技に自信を持ち、グリーン上では最少の22パット。「(海外選手と)飛距離で競り合おうとは思わない。100ヤード以内、ウェッジでは負けたくない。体格差の関係ない部分ではリードしたい」。2日間3オーバー26位のスコットより9打少なく回り、自らの武器を示した。

 16年大会の練習ラウンドでも一緒に回ったことを懐かしく振り返り「スーパースターと回れるのは刺激しかない。プレー以外の立ち居振る舞いも勉強になった。(同組に)入れてもらえて感謝です」と、注目組でのプレーを喜んだ。

 6月にメジャーを制し、同一年のメジャー複数回優勝なら、ツアー制施行後で19年の石川遼以来、17人目&25例目の記録だ。「まだ半分終わっただけ」と、東北福祉大の後輩2人と首位に並ぶ展開に油断はない。比嘉の憧れは同じ大学の先輩・松山英樹(30)。「松山さんのように後輩をリードできる存在になれれば」。95年ぶりアマVに注目が集まる中、95年生まれの技巧派が意地を見せる。(岩原 正幸)

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