星野陸也「18番を歩きながらウルッと」地元で涙の今季1勝 「賞金王目指す」


星野陸也

星野陸也

◆男子プロゴルフツアー 平和PGM選手権 最終日(30日、茨城・PGM石岡GC=7039ヤード、パー70)

 首位で出た星野陸也(興和)が1イーグル、5バーディー、ボギーなしの63をマークし、通算22アンダーで今季初優勝、昨年5月のダイヤモンドカップ以来となる通算6勝目を挙げた。

 地元茨城での優勝は格別だった。2位に5打差をつけて迎えた18番。第2打地点に向かってフェアウェーを歩きながら、星野はもう泣いていた。声援に耳を傾け、ギャラリーの笑顔に目をやり「ウルッときた」。「今までずっと地元の試合で惜しい試合が続いていた。ようやく地元のみなさんの前で優勝できた。今までの5回の優勝とは違った感覚」。1メートル弱のウイニングパットを沈めると両手を突き上げた。

 スタート前のクラブハウスだった。トイレで鏡をのぞいた。「悲しい顔」の自分がいた。今季は夏以降、ゴルフと体調がかみ合わずに低迷。頭の中が弱気でいっぱいになった。「これじゃダメだ」と気合いを入れ直し、最後まで攻めぬくことを自分に誓った。

 1番で120ヤードの第2打を52度のウェッジでピン右2メートル半へ。エッジからの下りのフックラインを沈めてバーディー発進を決めた。「入っちゃいました」とおどけながら振り返ったのは16番パー5。5ウッドでの第2打をグリーン右前のバンカーへ。30ヤードの第3打は、ラインに乗ってカップへ消えた。優勝を決定づけるイーグルをものにした。

 今季は同じコースで開催されたISPSハンダ欧州・日本トーナメントで2位、ダイヤモンドカップ(大洗GC)が6位、日本ツアー選手権(宍戸ヒルズCC)が7位と、茨城での大会は悔しい結果が続いていた。「4回目だったので、今度こそはという思いがあった」。快晴の秋空の下、うっぷんを晴らした。

 賞金ランキングは7923万457円で3位に浮上した。トップの比嘉一貴との差は約5600万円。「正直、このへんで優勝しないと賞金王争いにからめないと思っていた。なんとか滑り込めた。後半戦、賞金王を目指してがんばりたい」。残りは5試合。自信を取り戻しシーズン終盤戦へ向かう。

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