男子ゴルフのメジャー、日本オープンでアマチュアとして1927年の赤星六郎以来、95年ぶり2人目の優勝を飾った蝉川泰果(たいが、21)=東北福祉大4年=が10月31日、プロ転向を宣言した。これにより日本オープンVの資格で2027年までのツアー出場権を獲得。11月3日に地元・兵庫で開幕するツアー、マイナビABC選手権(ABC・GC)でプロデビュー戦を飾る。
男子ゴルフ界の新星・蝉川が、プロになった。3日に地元の兵庫・加東市で開幕するツアー、マイナビABC選手権に主催者推薦での出場も発表され、同大会でプロデビューを飾る。主催者を通じ「本日、プロ宣言いたしました。ファンの皆様がプレーを見て喜んでいただき、楽しみにしてくれるよう、今まで以上に努力を重ね、頑張っていきます」と決意を新たにした。
タイガー・ウッズを由来に「泰果」と名付けられた逸材は、9月のパナソニックオープンで史上6人目のアマチュア制覇。4週後のメジャー、日本オープンでは初日から首位を守り、95年ぶり2人目のアマV。アマでは史上初のツアー2勝目となった。世界アマランク1位の新スター候補だ。
主将として出場した前週の常陸宮杯大学選手権を終え、31日付で日本ゴルフツアー機構(JGTO)のツアーメンバーに登録。これにより日本オープンで得た5年シードを行使できる。今季最終戦・日本シリーズJTカップ(12月、報知新聞社主催)にも出場予定だ。JGTOの青木功会長(80)も書面で「謙虚な姿勢で日々の努力を」とエールを送った。
地元からプロとして踏み出す。マイナビABC選手権は09年にジュニアレッスン会に参加。昨年大会では49位でベストアマ賞を獲得。なじみの大会でプロ初戦となり「本当にうれしく思う」。開幕前に会場で会見し、自らの口で決意表明する。
この日は、午前に加東市役所を訪問。岩根正市長にプロ転向を直接伝えた。同市商工会、観光協会から祝いの品として2勝の通算アンダー記録「22」、「10」の数字にちなみ、地元の名産コシヒカリ220キロ、県内産黒毛和牛10キロなどが贈られた。故郷の期待も胸に、次のステージでも飛躍する。
◆蝉川 泰果(せみかわ・たいが)2001年1月11日、兵庫・加東市生まれ。21歳。1歳からアンパンマンのプラスチック製クラブでゴルフを始め、兵庫教育大付中から大阪・興国高を経て東北福祉大に進学。高3時に国体優勝。昨年は日本学生2位、日本アマ4位で22年度のアマ日本代表選出。ドライバーの平均飛距離は300ヤード超で攻めのゴルフが魅力。177センチ、75キロ。家族は両親と姉。