中島啓太「9個伸ばして1個しか詰まらないような先輩です(笑い)」…63でもトップ金谷拓実とは3差


3番、ティーショットを放つ中島啓太(カメラ・谷口 健二)

3番、ティーショットを放つ中島啓太(カメラ・谷口 健二)

◆男子プロゴルフツアー ASO飯塚チャレンジド 第3日(10日、福岡・麻生飯塚GC=6809ヤード、パー72)

 第3ラウンドを4打差2位から出た2週連続2位の中島啓太(フリー)は1イーグル、7バーディー、ボギーなしの63をマークして通算22アンダーとし、トップの金谷拓実(Yogibo)と3打差の2位で最終日を迎えることになった。

 この日のベストスコアで追い上げても、金谷を捉えることはできなかった。「まあ、9個伸ばして1個しか(差が)詰まらないような先輩です」。隙の無いプレーに脱帽し、もう笑うしかなかった。

 1番から3連続バーディーでスタート。17番のバーディーで2差まで近づいたが、18番を金谷がバーディーで締めた。「まあでも、そういう免疫はついているんで(笑い)。いくら離されてもまた食らいついていくっていうような感じで、自分はやれている」。2メートル前後のパーパットをしぶとくねじ込み、3日間ボギーなしを続けている。

 2学年上の先輩の背中を、アマチュア時代からずっと追ってきた。中学3年の15歳だった2015年の日本アマチュア選手権では金谷に敗れて準優勝。「終盤で強いっていうイメージはもうずっと変わらない。ピンチを作っても、それをセーブしてくる」。なんとも手強い相手だ。

 以前はラウンド中に言葉を交わすこともあった。4月の中日クラウンズの最終日だった。2人は優勝争いと離れた位置で同組で回っていた。たこせんべいを食べていた中島は、金谷から言われた。「またそんなの食って。可愛い子ぶんなよ」。「可愛い子ぶってないじゃないですか!」。

 この日は「全くない。ゼロでした」。スタート前の朝のクラブハウスで顔を合わせて、あいさつをしただけ。「3週間優勝争いをしているし、お互い集中力を高く保てている。ただお互いが良いプレーを目指して、がむしゃらにやっているだけなのかなと思う」。いいプレーには「ナイス」と声を掛け合うスポーツマンシップと、優勝争いの緊張感。張り詰めた空間が心地よくもある。

 前週のBMWツアー選手権森ビル杯で敗れた金谷との、3週連続の最終日最終組対決。「簡単なことではないけど、3打差は全然ひっくり返すチャンスはあると思う。金谷さんも人間だし、プレッシャーも少なからず感じていると思うので。いいゴルフをして、最後まで諦めたくない」。プロ初勝利となるツアー2勝目へ、逆転を信じてバーディーを重ねる。

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