◆女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 第2日(5日、札幌国際CC島松C=6593ヤード、パー72)
首位と4打差の8位で出た川崎春花(20)=村田製作所=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、通算9アンダーの2位に浮上した。プロ1年目の昨年は2勝を挙げるも、今季最高は3位。18試合に出場し、7度の予選落ちと不振にあえいできたが、クラブを構えた際に左肩が下がる悪癖を修正し、復調の糸口をつかんだ。68で回った鈴木愛(29)=セールスフォース=が、10アンダーの単独首位で通算18勝目に王手をかけた。
キャディー助言 2日間ボギーなしの川崎が、安定したゴルフで優勝争いに名乗りを上げた。パー3の2番で4メートルを沈め、この日最初のバーディー。その後はピンに寄せるショットで、次々とスコアを伸ばした。「最後は絶対に決めるという気持ちだった」と最終18番パー5でも4メートルをねじ込み、目標としていた67をマークした。
5月以降は不振が続き、精神面も苦しかった。ルーキーイヤーの昨年、メジャーを含む2勝と躍進。だが、今年は3月のアクサレディスの3位が最高。18戦に出場するも7度の予選落ちで、年間ポイントランクは46位とシード権獲得の瀬戸際に位置する。「すごい苦しくて試合にも行きたくない」と思う日もあったという。
どん底の状態を救ったのはキャディーだった。先月の資生堂レディスでは予選落ちの悔しさから「クラブハウスのトイレで泣いていた」。その後の練習中に佐藤真キャディーから「アドレス(構え)の時に左肩が下がっている」と指摘を受けた。自身のスイングを振り返り「出球が左に行くミスをして、制御が利かなくなっていた」と分析。普段スイングの助言はしないキャディーからの言葉が復調のきっかけとなり、躍進につながった。
2度目の海外メジャーとなる次週のAIG全英女子オープン(10日開幕、英国)の出場リストにも名を連ねた。「明日も目標設定をして、そこに向かってゴルフができたら」。前週は同じ03年度生まれの“ダイヤモンド世代”桜井心那(ここな、19)の2勝目を笑顔で祝福し、同世代の活躍も励みになった。1打差2位と絶好の位置から、完全復活となる今季初勝利を手に、気持ち良く海を渡る。(富張 萌黄)