６年ぶりの優勝にインタビューで涙を見せる森田遥
◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ 最終日（８日、静岡・東名ＣＣ＝６５９０ヤード、パー７２）
首位で出た森田遥（２７）＝新英ホールディングス＝が２バーディー、ボギーなしの７０で回って通算１３アンダーで逃げ切り、２０１７年ｍｅｉｊｉカップ以来となるツアー２勝目を飾った。夏場に新型コロナウイルスとＲＳウイルスに感染。試合に出られず苦しい日々を送ったシーズンに手にした６年ぶりの勝利に、喜びの涙を流した。
距離にして数センチのウィニングパットを、森田は６年分の思いを重ねて沈めた。「長かった。６年かかったけど、毎日１ミリでも勝利に向けて準備してきた」。自分を信じ抜いてたどり着いた１８番グリーンで、涙があふれた。
２番でカラーから１０メートルをねじ込みバーディー。単独トップに立つと、その後は冷静にパーを重ねた。ＯＢがある右の林へ打ち込んだ１７番の第１打は球が木に当たってフェアウェーに跳ね返り「運が良かった」と苦笑いした。
２０１９年にはシード落ちも経験したが「今年が一番しんどかった」と打ち明けた。出場２３試合中１２戦で予選落ち。６月末には新型コロナウイルスに罹患（りかん）し、回復後すぐにＲＳウイルスに感染した。７月は４試合を欠場。「焦りしかなかった。休めば休むほど試合がなくなってくる」。小学生まで習っていたジャズダンスをトレーニングの代わりに取り入れ、沈みがちな気持ちを盛り上げた。
生涯獲得賞金は３億円を突破。「また来週から、ゼロから始まる。今週と同じように自分のゴルフに徹しながら３勝目、４勝目を目指していきたい」。６年間そうしてきたように、また努力を積み上げていく。（高木 恵）
◆森田 遥（もりた・はるか）１９９６年７月１９日、高松市生まれ。２７歳。９歳からゴルフを始め、２０１３年に日本女子アマ優勝。高松中央高卒業後の１５年に単身、米下部ツアーに挑み「シメトラクラシック」で優勝した。帰国後の１６年は日本ツアー最終予選会４位で出場権を獲得。１７年８月のｍｅｉｊｉカップで初優勝。昨季メルセデス・ランク１７位。家族は元卓球選手の中国人の両親と妹。１６４センチ。