岩井明愛、地元大会で自宅通勤に「ホッとする」今季最多7度目首位発進 残り5戦逆転女王へ勇気


18番をバーディーでホールアウトした岩井明愛(カメラ・今西 淳)

18番をバーディーでホールアウトした岩井明愛(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー 樋口久子・三菱電機レディス 第1日(27日、埼玉・武蔵丘GC=6650ヤード、パー72)

 双子の姉で、通算3勝の岩井明愛(あきえ、21)=ホンダ=が5バーディー、ボギーなしの67で回り、今季ツアー最多7度目の首位発進を決めた。今季年間ポイントランク3位も、首位とは僅差。得意のアイアンを武器に、今年唯一の地元・埼玉開催大会で今季4勝目をつかみ、逆転女王へ突き進む。仁井優花(21)=エレコム=、山内日菜子(27)=ライク=が首位に並んでいる。

 地元大会も得意の初日に飛び出した。岩井明はこの日、年間ポイントランク1位の申ジエ(韓国)、同2位の山下美夢有(みゆう)と同組でのラウンド。「久々にしびれる緊張感の中でやっていた。優勝争いとは違った」と“3強”の直接対決を楽しみ、堂々のボギーフリーで首位発進を決めた。

 今季躍進中の21歳は、満足はしていない。17番で4メートル、18番で3メートルを沈め、連続バーディーで初日を終えた。大きなミスのない一日にも「スイングだったり、球筋がしっくり来ていない」と内容には不満顔。15番パー3では、第1打をグリーン右奥のラフに外すなどピンチもあった。「いいゴルフができている時は、何も考えずにスイングができている」とショットの好調時とは、ギャップがあるという。

 首位スタートは今季31戦で7度目。追われる立場にも「プレッシャーとかはあまりない」と話す強心臓ぶり。これまで首位発進6度のうち優勝2回、2位3回と好成績につなげている。

 地元大会という“追い風”も吹いている。会場まで車で40分の自宅から通い、母・恵美子さん(48)の手料理で連日のエナジーチャージ。今大会前には好物のショウガ焼きを食べた。「(自宅通勤は)ホッとする。心が安らぐ感じ。久々に会えた友達もいた」と応援を味方につけている。

 昨季の山下に続く、歴代2番目の年少での年間女王も視界に入るが「意識はしていない」。首位の申とは143・23ポイント差で、残り5試合での逆転は十分可能だ。「狙える位置ではあるというのは分かっているんですけど、今までと変わらないように」とマイペースに女王の座を見据えている。残り2日間へ「地元開催なので、皆さんを楽しませられるように。大会を盛り上げられるように頑張りたい」と、待望の地元Vを逆転女王への足がかりにする。(富張 萌黄)

 ◆年間女王争い 日本女子プロゴルフ協会は22年から年間獲得賞金ではなく、積算ポイント「メルセデス・ランク(MR)」の順位で競う「年間女王争い」に指標を変更した。賞金ランクによるシード権付与も廃止し、MR50位以内までに一本化され、MR1位には4年シードが与えられる。従来の賞金ランクでは、国内メジャー大会を上回る一部の大会で、高額賞金を稼いだ選手が一気にジャンプアップする例が見られ、不公平感を解消する意味合いもあって、MRへの一本化となった。米男女ツアーも同様のポイントランクで競っている。

 ◆今大会で岩井明愛が年間ポイントランク首位へ浮上する条件 〈1〉岩井明が優勝し、200ポイント獲得することが絶対条件。そして〈2〉143.23点差で首位の申ジエは今大会単独6位(55ポイント)以下、〈3〉岩井と122.41差の山下美夢有も単独4位(70ポイント)以下ならば、岩井がトップに浮上する。

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