稲見萌寧、来季米ツアー参戦表明 前週TOTOジャパンクラシック制し「勝ち取った権利」…1年限定の予定


稲見は笑顔で「行ってきます」のポーズ(カメラ・安藤 篤志)

稲見は笑顔で「行ってきます」のポーズ(カメラ・安藤 篤志)

 2020―21年賞金女王の稲見萌寧(24)=Rakuten=が9日、千葉県内で10日に開幕する伊藤園レディスの会場、グレートアイランドCで記者会見し、来季に米ツアーに挑戦すると表明した。出場資格は前週の日米共催大会、TOTOジャパンクラシック優勝で獲得。13日(日本時間14日)の期限を前にツアーメンバー登録を済ませる。稲見の関係者はスポーツ報知の取材に1年限定の参戦プランがあることや、米国行きを決断した舞台裏を明かした。

 稲見が晴れやかな表情で来季の米ツアー参戦を表明した。「チームで話し合った結果、挑戦してみようと。引退して振り返った時に人生の大きな出来事になる」。これまで国内にこだわっていたが「私自身で勝ち取った権利なので」と予選会を経ず、より高いカテゴリーで出場できることも決断理由となった。

 関係者は「当初はだいぶ(行く可能性が)低かったが、将来、あの時行っておけばよかったと後悔しないように」と説明。現在のトレーナー、英語が堪能なキャディー兼パットコーチの小暮広海さん(23)が米国に同行することで、腰痛や言葉の面での不安がクリアになったことが大きかったという。

 来季の米ツアー日程は未発表だが、早ければ来年1月のツアー優勝者の大会、ヒルトン・グランドバケーションズ(米フロリダ州)でデビューする見込み。4月からは5大メジャーが控える。関係者によれば、現時点で米ツアー参戦は1年限定の予定で、シードを取った場合でも25年に日本に戻る可能性があるという。かねて公言していた国内通算30勝で得られる永久シードの目標について、稲見は「もちろん諦めないが一時保留。米ツアーに全力で挑戦したい」と話した。

 10日開幕の伊藤園レディスを含め残り3戦。「(もう1勝して)複数回優勝を目指して頑張りたい」。21年東京五輪で日本人初の銀メダルを獲得したショットメーカーは、世界挑戦を前に気合が入っていた。(岩原 正幸)

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年7月29日、東京都生まれ。24歳。9歳でゴルフを始め、2016年にアマ日本代表入り。18年のプロテストに一発合格。19年にツアー歴代最高のパーオン率78・2079%を記録。20―21年シーズンは9勝で賞金女王に輝く。通算13勝(国内メジャー1勝)。21年の東京五輪で銀メダル獲得。166センチ、58キロ。

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