ニュージーランドのJrゴルフ留学事情<22>


 ジュニアゴルファーの皆様、サポーターのご家族様、お元気ですか?日本のゴルフシーズンは、ほぼ終了。年末の足音が聞こえてくる頃でしょうか?ニュージーランド南島は、風薫る初夏の青空が広がる毎日。日照時間も長くなったおかげで、練習にもたっぷり打ち込めます。ゴルフ場の美しい緑に囲まれた環境で過ごしていると、季節の移り変わりを身近に感じ、癒やされます。四季のあるニュージーランドというのは、日本人にとってありがたいなぁなどと思ったりもします。

 

 遡ること今年の8月。冬のニュージーランドで練習と試合に明け暮れる留学ジュニアたちの元に、なんと!MIKANAとSORAが地元カンタベリーのU19代表メンバーに選出されるという、嬉しいニュースが舞い込んできました。これにより、一層高いレベルで経験を積むチャンスが生まれ、新しいフィールドへの挑戦が可能になります。桃花と一磨の時もそうでしたが、こういう代表選考は、スコアーはもちろんのこと、週末に開催されるクラブコンペやジュニアトーナメント、クラブ対抗戦での彼女たちの地道な努力、プレイングパートナーに対する真摯な態度等を総合評価して行われます。ありがたいことに、彼女たちの切磋琢磨する姿を、ちゃんと見ていてくれる人が必ずいるんです。

 

 10月。ニュージーランド全国各地区から6名ずつ選ばれたU19代表メンバーが、女子は北島ロトルアに、男子はケンブリッジに集いマッチプレーの団体戦に挑みました。SORA選手はNo.1、MIKANA選手はNo.4プレーヤーとして出場。チームカンタベリーはプール戦を4勝1分けで突破。決勝戦では、5戦全勝で勝ち上がってきたベイオブプレンティを撃破し、なんと9年ぶりの全国優勝を果たしました。

 

 さて、アメリカから帰国後、NZ代表としてアイゼンハワートロフィーが開催されるアブダビへと出発した一磨は、おかげさまで、個人戦で優勝することができました。暖かいご声援をたくさんいただき、有り難うございました。その後、その足でオーストラリアメルボルン開催のアジアパシフィック選手権に出場。もし勝てば、来年のマスターズ、そして全英までアマチュアステータス継続、勝てなければプロに転向という状況でしたが、優勝は叶わず。2023年11月1日付けでプロに転向致しました。新たなるステージでの挑戦が始まり、今はオーストラリアツアーの5連戦を戦っています。オーストラリア女子ツアーに参戦中の姉の桃花共々、どうぞこれからも応援・ご声援の程よろしくお願い致します。

 

 さてさて、ニュージーランドの団体戦。10月のU19に続き、SORA選手とMIKANA選手は、なんと12月のフル代表全国団体にも選出されました。
 今年の開催コースは、ニュージーランド屈指の難コース、パラパラウムビーチGC。結果は、残念ながら、チームカンタベリーの準決勝進出は成らず。初出場の2人にはかなりチャレンジングな経験となりました。
 地区代表という責務を負って、勝利に執念を燃やすプレーヤーたちのパフォーマンスを目の当たりにしたことは、今後の練習で、常に高いレベルを想定して研鑽を積む助けとなると思います。

 

 10月の団体遠征前「え?!小堀さんは一緒にロトルアに行かないんですか?」と不安げだったのが嘘のように、先週は堂々と笑いながら、再び遠征へ出掛けていきました。逞しくなった2人の姿を見ていると、こうした英語環境での体験も、ジュニアたちの心の成長に大きく関わっていると改めて思います。学校の勉強だけでなくゴルフを頑張っているからこそ得られる貴重な体験を、これからも積み重ねていって欲しいと思います。

 

 以上、年内最後の掲載となりました。今年もこのコラムをお読みくださり、有り難うございました。
 それでは、ジュニアゴルファーの皆様・サポーターのご家族様・ゴルフを愛する全ての皆様、お体に気をつけて、どうぞよいお年をお迎えください

 

U19全国団体戦代表の初ミーティング。ユニフォーム写真撮影後、チームのモットー、目標の設定、注意事項の確認、食生活アドバイスや自己管理の徹底などなど、ジュニアといえどもなかなかのクオリティです。

ランギオラゴルフコースがすっかり自分の「庭」となってしまったKEI選手。英語習得は超マイペースですが、「マイペースな人に大変理解ある(笑)」キウイのメンバーさん方に見守られ、ゆっくりと前進中。練習・調整中の桃花とのツーショット。


プロが出場するチャールズツアーへ初めての挑戦。アマチュアの試合とはまた違った雰囲気を体感しました。この体験を日々のトレーニングの中で活かし、常に高いレベルを想定して練習に励みます。

一磨にとって2度目の代表招集となるアイゼンハワートロフィー。前大会35位から大きく順位を上げて、今年は5位入賞と大検討のチームニュージーランド。


チャレンジングな状況でも笑顔を絶やさない2人。大会3日目、SORA選手がNZナショチメンバーを撃破するという、大金星を上げました。

2023年11月1日、小堀一磨はプロへと転向致しました。これからもひたむきにゴルフと向き合い精進して参ります。


 

kobori

◆小堀亮三
1966年生まれ、神奈川県出身。中央大学仏文科を3か月で中退後、オフロードバイクのレースに参戦するために単身渡米、その後10年に渡り住み続けることとなる。UCSD卒業(カリフォルニア大学サンディエゴ校)。ニュージーランドの広大なオフロードトレイルライディングに魅せられ、2007年、妻、娘(当時8歳)、息子(当時5歳)の家族4人でニュージーランドへ移住し1年と半年後に永住権を取得。ふとしたきっかけでニュージーランドがゴルフ天国であることにも気づき、自身もどっぷりとはまり腰を痛めることに。今はゴルフに熱中する子ども達をサポートするかたわら、ジュニアゴルフNZを運営。
職歴   オフロードバイク業界でイベント企画運営をメインに輸入卸売、コラム執筆等、多岐に渡り30年。が、ゴルフに熱中する子ども達の影響と数々の幸運な出会いにより、一念発起、50歳でジュニアゴルフNZを開業する。現在はバイクとゴルフ2足の草鞋を履き、日本とニュージーランドを行ったり来たりの生活を送っている。
活動拠点 ニュージーランドでは南島のランギオラ。日本では群馬県の浅間高原、北軽井沢
趣味   家庭菜園とブログの更新(http://juniorgolfnewzealand.blog.jp)