星野陸也 ピラミッドでベルサイユ宮殿で「メンタル回復」 欧州ツアー初制覇呼んだリフレッシュ方法


◆欧州男子プロゴルフツアー カタール・マスターズ最終日(11日、カタール・ドーハGC)

 首位タイで出た日本ツアー通算6勝の星野陸也(27)=興和=が6バーディー、2ボギーの68で回り、通算14アンダーで欧州ツアー初優勝を飾った。本格参戦2年目で、日本人では青木功、松山英樹、久常涼に続く4人目の同ツアー大会制覇。参戦当初は体重が4キロ減るなど食事面での苦難を乗り越え、頂点を手にした。ウーゴ・クサル(フランス)が1打差の2位だった。

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 国をまたぐ移動が続く過酷な欧州ツアーを、星野は楽しんでいる。「小学生の頃から夢だった」というエジプトにも足を運んだ。昨年3月のケニアオープンから帰国する際、航空券が格安だったエジプト経由を選び半日の弾丸観光を敢行。馬に乗りピラミッドを巡り、博物館でツタンカーメンのマスクを拝み、パワーを蓄えた。

 大好きだったカードゲーム「遊戯王」がエジプトへの興味の入り口だった。「このタイミングで行くしかないなって。行けてよかった。一番行きたかったんですよ~」。ずっと欲しかった名前入りのカルトゥーシュも作ったと話す星野の顔は、心底うれしそうだったことを覚えている。

 「リフレッシュもしないといけない。ずっとゴルフだけやっていると心がおかしくなるくらいの大変さ。つらいときもあるので。リフレッシュしながら楽しみながら」。フランスオープンでは予選落ちした翌日に「メンタル回復! みたいな意味合いで」ベルサイユ宮殿とルーブル美術館へ向かった。

 チェコではプラハの街並みに癒やされ、英国ではウィンザー城を訪れた。「自分は歴史が好きなので、ゴルフがうまくいかないときに、そういう環境があるのがすごくうれしい。ちゃんと練習もしますけど。ただ、ショットが全然いいのにうまくいかないときってあるじゃないですか。メンタル沈むとき。そんなときにね」。食事での苦労は尽きないようだが、ゴルフ場の外でも“ツアー”を満喫しようとする姿勢がたくましく映る。(高木 恵)

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