森田理香子、6年ぶり復帰戦で予選突破 69で18位急浮上に「天才やなぁ」


6年ぶりのツアーを通算1アンダー18位で予選通過し、笑顔でホールアウトした森田理香子(左)(カメラ・今西 淳)

6年ぶりのツアーを通算1アンダー18位で予選通過し、笑顔でホールアウトした森田理香子(左)(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス 第2日(1日、沖縄・琉球GC=6595ヤード、パー72)

 約6年ぶりのツアー復帰戦となった2013年の賞金女王・森田理香子(34)=フリー=が5バーディー、2ボギーの69で回り、通算1アンダーの18位で予選を通過した。決勝ラウンド(R)進出は18年5月以来で、60台は17年11月の大王製紙エリエールレディス第3R以来。雨が降り続ける悪条件の中、自慢の飛距離を武器に、復活ののろしを上げた。西郷真央(22)=島津製作所=が11アンダーの単独首位に浮上した。

 心からゴルフを楽しむ森田理がいた。インから出ると13番から圧巻の4連続バーディー。全て1メートル前後につけるショット力で、1アンダーの18位に急浮上。「上出来。自分で『天才やなぁ』って思いながら回っていた」と笑みを浮かべ、声を弾ませた。雨が降るタフな条件下で平均スコア73・4の中、69をマーク。初日はカットライン(50位)を下回る61位にいたが、長期ブランクを感じさせない強さだった。

 自慢の飛距離はさびつくどころか、女王となった13年より約40ヤードアップ。予選R2日間の平均飛距離257ヤードは出場108人中、堂々のトップに立つ。復帰するからには妥協はせず、地道なトレーニングでツアー仕様の体を作った。「飛ぶことで『やれる』という気持ちにもなる。小技は下手なのは分かっているけど、下手ながらもできると思えた」。長所への自信が全体のプレーに波及し「飛ばし屋ですごいと言ってもらいたい」と胸を張った。

 18年6月のニチレイレディスを最後に試合から遠ざかった。「賞金女王を取って燃え尽きた。状態が悪くなり、これ以上考えたらできなくなる」とゴルフと距離を置いた。昨年10月、ツアー外競技に出場したことで好転。「とても楽しかった。プータローしてても癒やされない。ゴルフをする気力が出た」と復帰を決めた。

 第1Rに会場に訪れた師匠の岡本綾子(72)とは昨年12月、5年ぶりの再会を果たし、「頑張って」と送られたエールは力の源にもなっている。当初の目標「4日間完走」は目前となり、週末へ向けて「難しいところに行かないように注意しながらやっていきたい」と上位をうかがう。「今はゴルフが楽しい。一生懸命にやったら悪くても納得がいく」。帰って来た賞金女王の笑顔には今、充実感が漂っている。(富張 萌黄)

 ◆森田 理香子(もりた・りかこ)1990年1月8日、京都市生まれ。34歳。8歳からゴルフを始める。京都学園高卒業後の2008年、プロテストに一発合格。10年、樋口久子IDC大塚家具レディスで初優勝。岡本綾子の指導の下、13年に横峯さくらとの争いを制し、23歳327日で年少4番目(当時)の賞金女王に輝く。通算7勝。18年限りでツアーを休養した。164センチ、57キロ。

最新のカテゴリー記事