男子ゴルフで、3月に15歳7か月13日の史上最年少でプロ転向した16歳の香川友(とも、代々木高1年)が今月行われる来季欧州(DPワールド)ツアー出場権を争う1次予選会に電撃的に挑戦することが2日、分かった。プロになって5か月あまりで、高校1年という異例の早期での海外進出を目指す。
香川が参加するのは24日からフランスで行われる1次予選会で、その後2次予選会、最終予選会と進めば、ツアー参戦への道が開ける。今月中旬に父・正宏さん(53)とともにフランスに渡る予定となっている。
今回の受験を楽しみにしているという香川は「若い時に厳しい環境で違ったゴルフや、細かいところを勉強して少しでも上達したい。この先絶対にゴルフに役立つことがあると思います」と意気込みを語った。
平均300ヤードのドライバー飛距離と得意のウェッジゲームを武器に、将来の飛躍が期待されるプロ1年目。2月からは国内最多ツアー94勝(通算113勝)を誇る尾崎将司(77)が主宰する「ジャンボアカデミー」に弟子入りし、技術面だけでなくプロとしての心構えについても助言を受け、成長を続ける。「一つ一つお言葉に重みがあり、すごく勉強になり楽しくやっています」と近況を語った。
前週行われた国内下部のABEMAツアー、ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ(福島)でプロ転向後の初戦を迎え、3アンダーの42位だった。レギュラーツアーには10月のACN選手権(3~6日、兵庫・三木GC)への出場が決定している。
欧州ツアーでは昨季日本ツアー賞金王の中島啓太(フリー)、星野陸也(興和)らがプレーし、いずれも今年優勝を飾った。予選会を経て欧州に本格参戦した例としては昨年同ツアーで1勝を挙げて最優秀新人賞を受賞し、現在は米ツアーに参戦する久常涼(SBSホールディングス)がいる。近年では、世界最高峰の米ツアーを目指し、若手の時期から欧州で世界を経験するパターンが増えつつある。
父・正宏さんは「技術が上がってきたのでチャレンジしてみようと。若いうちに向こう(海外)で、という思いもあります」と欧州予選会挑戦への経緯を説明した。今後への経験を積む意味でも、16歳が異国の環境で自らの力を試す。
◆香川 友(かがわ・とも)2008年7月31日、千葉・野田市生まれ。16歳。1歳から父が経営する「関宿ゴルフ練習場」で打ち始める。ドライバーの平均飛距離は300ヤード。小学6年の20年10月に茨城県内のミニツアーで、優勝したプロと同スコアの67でベストアマ獲得。22年4月の関西オープンでツアーデビュー。昨年秋に行われた24年のツアー出場権をかけた予選会で3次に進出し、今年3月に野田一中卒業と同時に15歳7か月13日の史上最年少でプロ転向。4月から通信制の代々木高に進学した。憧れの選手はフィル・ミケルソン(米国)。プロ転向時に掲げた目標は「マスターズ優勝」と「世界ランク1位」。趣味、特技は海釣り、サーフィン、スケボー、野球。好物は吉野家の牛丼。176センチ、106キロ。
◆欧州(DPワールド)ツアー 欧州だけでなく中東を含むアジア、アフリカなど24か国で年間44試合開催される(米ツアーと共催の4大メジャーを含む)。シーズンは前年の11月下旬から1年間。年間ポイント争いで有資格者を除く、上位10選手が翌年の米ツアー参戦資格を得る。22年12月から、日本ツアー賞金ランク3位以内の選手に出場権が与えられている。日本からは星野陸也、川村昌弘、中島啓太、4月のISPSハンダ欧州・日本トーナメントを制した桂川有人が参戦している。
◆同ツアーの予選会(通称・Qスクール) 1次予選は8、9月に欧州各地9か所で4日間にわたり実施。香川が出場する予選会は、フランスのパリから北西に約120キロ進んだポーズという場所で行われる。勝ち進めば、10月末からスペインの4か所で行われる2次に進出する。最終(ファイナルステージ)は11月8~13日にスペイン・タラゴナで行われる。