新兵器“20年ものパター”でノーボギー 石川遼、最終戦・日本シリーズでの逆転賞金王へ1差2位発進


電子ピアノの贈呈式に出席した石川(右)(カメラ・富張 萌黄)

電子ピアノの贈呈式に出席した石川(右)(カメラ・富張 萌黄)

◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン 第1日(21日、高知・Kochi黒潮CC=7350ヤード、パー72)

 賞金ランク5位の石川遼(33)=カシオ=が7バーディー、ボギーなしの65で回り、首位と1打差の2位と好スタートを切った。約20年前に製造されたパターを投入して、グリーン上が好調。ツアーは残り2戦、大会主催のカシオ計算機と所属契約を結ぶ石川が、ホストVから逆転賞金王を目指す。河本力(24)=大和証券=が64で単独首位とした。

 有言実行のスタートダッシュだ。石川は開幕前に目標としていたノーボギーで、大会自己最少に並ぶ65をマーク。「粘れたところも多かった」と3度のピンチもパーで切り抜け、スコアを作った。前半を2アンダーで折り返すと、後半は1・8メートルを沈めた4番から3連続バーディーで伸ばした。

 “20年もの”の相棒が奏功した。今大会は約20年前に製造されたパター、オデッセイの「ホワイトホット 2ボール」を投入。「アライメント(体の向きをターゲットに合わせること)と、しっかり打つ際のストロークのブレを改善したい」という狙いで、3年ぶりに2ボール型パターを試合で使用した。8、9番では3メートル前後の真っすぐのラインが残り「いいところに2つとも打ち出せた」と納得の表情を見せた。硬くて速いグリーンは「好きなコンディション」とこの日の平均パット数は5位を記録した。

 今季は2勝で、賞金ランクは5位につける。6月のプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品では実行委員長V、2週前の三井住友VISA太平洋マスターズではアンバサダーVを飾った。今大会は所属先が主催し、ホスト優勝へ挑む。過去13度出場し、2位が3回。トップ10入り6度と相性は悪くない。世界的メーカーと契約を結んでいることについて「世界で頑張るモチベーションにもなっている」と米ツアー再挑戦への活力にもしている。

 優勝すればランク1位浮上の可能性もある。今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ(28日開幕、東京よみうりCC=報知新聞社主催)は過去2勝。得意の舞台で15年ぶりの戴冠へ向け、まずは今週、優勝賞金4000万円をつかみとる。「まだまだ先は長いが、似たようなゴルフができれば」。ラウンド後は日が傾くまで練習場で調整。「恩返ししたい」と虎視たんたんと大会初制覇を狙う。(富張 萌黄)

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