◆米女子プロゴルフツアー ホンダLPGA 第1日(20日、タイ・サイアムCC=6632ヤード、パー72)
米ツアー本格参戦2戦目の岩井明愛(あきえ、22)=ホンダ=が、大会コース記録とツアー自己最少の「62」をマークした。10バーディー、ボギーなしの猛チャージで2位に3打差をつけて、米ツアーでは23年TOTOジャパンクラシック以来、自身2度目の単独首位発進。大会スポンサーと所属契約するホステスプロは米国、サウジアラビア、タイとハードな3連戦をものともせず、米ツアー初優勝へ最高のスタートを切った。
会心の一打で大会コース記録に並んだ。最終18番パー5。岩井明は右ラフからの木の上を越す3打目をピン右メートルにピタリとつけ、10個目のバーディーを奪った。フェアウェーキープ率92・86%、パーオン率88・89%、パット数「26」と絶好調。「ショットもパットも良かったので、全部うまくいった」と充実感を漂わせた。
30度を超える気温に負けない、熱いロケットスタート劇で会場を沸かせた。自慢の飛距離を武器に1番パー5で2オンに成功。バーディー発進とすると2、3番も伸ばした。4番は第1打をピン左30センチへ、ホールインワン寸前のスーパーショットで大歓声を呼んだ。7番から3連続バーディーで前半9ホールでも自己ベストに並ぶ「29」を記録。多くの日本人ギャラリーも詰めかけ「ナイスバーディー」の声が何度も響いた。「たくさん拍手してくれてうれしかった」とほほ笑んだ。
今月2日に日本から米国へ出発。米ツアー本格デビュー戦に出場後、欧州ツアー出場のためにサウジアラビア、今週は米ツアーでタイと3連戦。移動距離は合計で2万9493キロにも上るタフな日程だが、「チームと待ち時間にトランプをやったり、楽しんでいる。元気です!」と疲れた様子は見せずに連戦に臨んでいる。
今大会は主催者推薦を受けて3年連続の出場だ。過去2年はホステスプロとして臨むも23年38位、24年60位と苦戦。予選落ちがなく、推薦選手はポイントが付与されないが、優勝の場合のみ500ポイントを獲得でき、ツアー出場優先順位を大きく上げられるチャンスでもある。そのため、今オフには今大会コースで双子の妹・千怜(ちさと)、同学年の桑木志帆と合宿を行い、苦手克服に向けてコースの攻略法も練ってきた。「自分らしく、キャディーさんと楽しくプレーできたら」と岩井明。“ほほえみの国”での残り3日間も、飛距離を生かした攻めのゴルフでギャラリーを魅了する。
◆岩井 明愛(いわい・あきえ)2002年7月5日、埼玉県出身。22歳。陸上に励んでいた小2の時、父・雄士さんの影響で双子の妹・千怜とともにゴルフを始める。埼玉栄高を経て、武蔵丘短大在学中の21年6月にプロテスト合格。23年のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。同年9月に2週連続完全優勝。24年はニチレイレディスなど3勝を挙げ、通算6勝。今季から千怜(同7勝)とともに米ツアー本格参戦。好きな歌手はMrs.GREEN APPLE。161センチ。家族は両親と妹、弟。