注目ルーキー・吉田鈴に単独インタビュー 姉は優利 「人生初」の優勝&4組目の姉妹Vへ…6日・ツアー開幕、プロデビュー


練習ラウンドで笑顔を見せるルーキーの吉田鈴(カメラ・今西 淳)

練習ラウンドで笑顔を見せるルーキーの吉田鈴(カメラ・今西 淳)

 女子ゴルフで国内3勝の吉田優利(24)=エプソン=の妹で、昨年プロテストに合格した吉田鈴(りん、21)=大東建託=がスポーツ報知の単独インタビューに応じ、プロ1年目の目標を語った。今季開幕戦のダイキンオーキッドレディス(3月6~9日、沖縄・琉球GC)から出場し「シード権獲得と1勝を目指す」。6歳から背中を追い続けた姉と同じプロの舞台に立ち、自身の人生初Vと姉妹優勝を見据えた。(取材・構成=星野 浩司)

×  ×  ×  ×

 ルーキーイヤーの目標を聞かれると、吉田鈴は愛らしい笑顔から真剣なまなざしへ表情を一変させた。

 「シード権獲得と1勝を目指す。初戦のダイキンでは予選ラウンドからいい位置で回りたい。パー5のバーディー率が重要で、3打目でピンにベタッとつければ歓声が沸くんじゃないかと思う。ギャラリーの皆さんにたくさん見てもらいたい」

 ミラクルがプロへの扉をこじ開けた。4度目の受験となった昨年11月の最終プロテスト。初日で90位と出遅れ、合格圏に5打差で最終日を迎えた。最終9番で第1打、第2打ともに「完璧だった」と5メートルにつけ、バーディー。69と伸ばし、ぎりぎり19位で合格した。

 「上に行かなきゃ落ちちゃう…と精神的に沈んでた。アスリートは勝負師にならないといけない。(会場の茨城)大洗GCでは第1打で3ウッドを握ることが多かったけど、それじゃプロになっても長所を生かせない。逃げずにドライバーで打つやり方に変えた。あきらめず合格を勝ち取れてホッとした。奇跡でしたね」

 2月に宮崎で2週間合宿し、飛距離アップなど課題に取り組んだ。世界ランク1位のネリー・コルダ(米国)らの映像を見て、スイング技術を磨いている。

 「去年の232ヤードから240ヤードはいきたい。元々、上半身が弱くて、オフに腕や背中を鍛えた。合宿では目標のヘッドスピード秒速42メートルをクリア。飛距離が伸びればパーオン率が上がり、パッティングも良くなる連鎖につながる。目標に向けてレベルアップできた」

 6歳の時、ゴルフを始めるきっかけをくれたのは4歳上の姉・優利だった。

 「お姉ちゃんが打つ姿を横で見ていて『おもしろそう!』と。9番アイアンを借りて、パーンって打ったらハマりましたね」

 それから15年。背中を追い続け、同じプロの舞台に立つ姉から食事や技術面など参考になる点は多い。

 「1年間、連戦が毎週ある。お姉ちゃんは食べる量が半端じゃなくて、『食事はちゃんとしな』と言われた。私は多く食べられないので、サプリメントで栄養を補ってる。最近一緒にラウンドして、ショートゲームはほぼミスなしでさすがだなと。技術の高さを目で見て感じた。私は去年のパーオン率は高かったので、アイアンの精度は(姉に)負けちゃいけないと思う」

 鈴はアマチュア時代から頂点に立った経験はない。日本ツアー史上4組目の姉妹優勝に期待がかかる。

 「優勝したら人生初ですね。上に行けば行くほど、もっと上を目指す。1つずつ目標を達成していきたい」

 ◆主な姉妹プロ 姉の福島晃子(国内24勝、米2勝)と妹・浩子(国内1勝)、姉の堀奈津佳(同2勝)と妹・琴音(2勝)、双子の姉・岩井明愛(あきえ、6勝)と妹の千怜(ちさと、7勝)など。福島姉妹は16年に浩子が初優勝し、史上初の姉妹V。岩井ツインズは23年に史上初の双子優勝、23年と24年に姉妹の同一年Vを達成した。

 ◆吉田 鈴(よしだ・りん)2004年2月21日、千葉・市川市出身。21歳。6歳の時、姉・優利(国内ツアー3勝)の影響でゴルフを始める。千葉黎明高―日本ウェルネススポーツ大。21年日本女子アマ4位。24年7月の大東建託・いい部屋ネットレディスで自己最高の10位。同11月にプロテスト合格。ドライバーの平均飛距離は240ヤード。身長153センチ。家族は両親と姉、兄。好きな歌手はONE OK ROCK。

最新のカテゴリー記事