「推しはコリン・モリカワだけど」ジャンボ尾崎の愛弟子・佐久間朱莉、メジャー登竜門で「マキロイのように」急上昇1差2位


試合中に笑顔を見せる佐久間。通算6アンダーで2位に浮上した(カメラ・今西 淳)

試合中に笑顔を見せる佐久間。通算6アンダーで2位に浮上した(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス 第2日(19日、熊本・熊本空港CC=6565ヤード、パー72)

 ツアー初優勝を狙うプロ5年目の佐久間朱莉(しゅり、22)=大東建託=が12位から出て5バーディー、1ボギーの68をマークし、通算6アンダーで首位と1打差の2位に浮上した。直近4年のKKT杯バンテリンレディスでは昨年の竹田麗央(22)=ヤマエグループHD、24年年間女王=ら3人が初制覇した後、世界に羽ばたいた。過去何度も優勝争いを演じながら優勝を逃してきた佐久間も世界への“登竜門”で頂点を目指す。

 気温27度。強い日差しが照る中、サングラス姿の佐久間が猛チャージした。3打差からスタートした1番は1打多くたたく“おはようボギー”となったが、7番で7メートルのパットをねじ込み、9番はバンカーからピンそば1メートルに寄せるなど、計5バーディーを奪取。「9番からが良くなり、いいリズムが作れた」とうなずいた。

 今年から練習比率を増やしたアプローチがさえ、好スコアを生んだ。17番は残り15ヤードをチップイン、最終18番も残り33ヤードを1メートルに寄せて連続バーディー締めだ。今季は5戦中4戦で初日に5位以内につけながらも2日目以降に伸び悩んだ反省から「今日は『伸ばすぞ!』と臨んだのがいい結果に出た」と波に乗った。

 前週の米マスターズで悲願の初優勝を飾り、史上6人目の生涯グランドスラムを達成したロリー・マキロイ(英国)から大きな刺激を受けた。「推しはコリン・モリカワだけど」と笑いつつ、14日早朝の最終日をテレビの生中継で見て感動で涙した。まさに執念のゴルフに刺激。「マキロイのように勝つんだという強い思いがあれば勝てるんじゃないか。今週はその気持ちを存分に前に出して戦う」。本家ばりに18番グリーンで歓喜する瞬間を思い描いた。

 バンテリンレディスでの初Vは日本のエース、世界への登竜門だ。昨年は竹田、23年は岩井明愛(あきえ、ホンダ)、21年は山下美夢有(花王)。直近4年で3人が同大会の初Vから日本のエース格となり、米ツアーで活躍している。佐久間は昨年、10位以内が14回、2位が3回ありながら頂点に届かなかった。師匠の尾崎将司も待望する優勝を今度こそ。門下生は「ジャンボさんにいい報告をしたい」と意気込んだ。

 首位と1打差で最終日へ。「5打差ならいける」が信条なだけに「チャンスはある。いいゴルフをしたい」。プロ1年目から紙に「初優勝」と目標を書き、自宅の机の横に貼ってきた。勝利への執念を胸に最終日に挑む。(星野 浩司)

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。22歳。父の影響で3歳からゴルフを始める。19年の日本ジュニアで2位、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、同6月のプロテストにトップ合格。同11月に下部ツアー優勝。22年はトップ10入り3度を含むメルセデス・ランク33位で初シード獲得。師匠は尾崎将司。得意クラブはアイアン。155センチ。家族は両親と兄。

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