宮里藍さんの金言、ジェーソン・デーの衝撃! 20歳・倉林紅が3差5位浮上…史上9人目のアマ優勝狙う


8番、ティーショットを放つ倉林

8番、ティーショットを放つ倉林

◆女子プロゴルフツアー 資生堂・JALレディス 第2日(4日、神奈川・戸塚CC=6766ヤード、パー72)

 主催者推薦で出場した20歳アマチュアの倉林紅(こう)=フリー=が17位で出て3バーディー、1ボギーの70で回り、通算3アンダーで首位と3打差の5位に浮上した。宮城・東北高の先輩で元世界ランク1位・宮里藍さんの金言を胸に、史上9人目のアマチュア優勝を狙う。

 酷暑と強風に動じず、倉林が3位に浮上した。5番で4メートル、9番で3メートルに寄せてバーディー。最終18番は下りの4メートルを沈めて伸ばした。「パッティングは自信を持って打てた」。今週からドライバー、ユーティリティーなど4本を変更したショットもさえた。両親から「紅一点。きらりと光る存在に」と命名された「紅」の名前がリーダーボードで輝いた。

 3週前。東北高の先輩・宮里さんと宮里藍サントリーレディス(兵庫)で対面した。大会前の座談会で「自分のゴルフに自信が持てない」と相談。課題克服のカギについて聞くと「自分の長所に目を向けて、気持ちをプラスにして臨むべき」とアドバイスを受けた。この日は苦手なドライバーショットが荒れても、得意のアイアンショットでリカバリーしてスコアを作った。

 昨年のプロテストは2度目の挑戦で不合格。2週前にツアー初優勝を飾った入谷響(加賀電子)は同学年で、プロテストの練習ラウンドを回った仲だ。「うれしい気持ちと、悔しい気持ちで複雑。負けてられない。自分も優勝できる力があると強く思えるきっかけになった」と刺激を受ける。

 一方で、今年4月にはオーガスタナショナル女子アマ(米ジョージア州)に出場し、30位で終えた。米国特有の芝や速いグリーンなど「日本にない環境でマネジメント面で勉強になった」。アマチュアとして、海外で得たものも大きい。

 同大会前の練習ラウンドでは、世界的なスター選手から衝撃を受けた。マスターズ出場に向けて、バンカーで練習していた米男子ツアー13勝のジェーソン・デー(オーストラリア)と遭遇。「30~40ヤードのバンカーショットをビタビタ寄せていた。キレイなスピンで全部打っていてすごかった。スマートフォンは使えないので写真は撮れなかったけど、目に焼き付けた」。世界屈指の技術を目の当たりにした。

 先月29日に20歳の誕生日を迎え、母・愛さんと焼き鳥店でレモンサワーを注文して乾杯。「20歳の初戦で強い気持ちで、自信を持って頑張りたい」と誓った。アマ優勝なら史上9人目で、日本人では19年の古江彩佳(富士通)以来。プロテストは免除され、即プロ転向が可能となる。首位と3打差で挑む週末へ「60台を目指して、自分のゴルフをしたい」と目を輝かせた。(星野 浩司)

 ◆倉林 紅(くらばやし・こう)2005年6月29日、宮城・富谷市出身。20歳。兄・太聖さん(24)の影響で6歳からゴルフを始める。東向陽台中では東北中学校選手権、東北高では東北高校選手権でそれぞれ3連覇。プロテストは23、24年に2度受験して不合格。レギュラーツアーは10戦に出場し、最高成績は24年ヨネックスレディスの10位。ドライバーの飛距離は240ヤード。憧れの選手はイ・ボミ。身長163センチ。家族は両親と兄。

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