
石川遼
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
男子ゴルフ界のスター、石川遼(33)と思わぬ話題で盛り上がった。6月の栃木・那須塩原市。クラブハウスで雑談中、彼がファンを公言する地元・埼玉の浦和レッズの話へと脱線した。
私も昨年まで6年間レッズを取材。何万人ものファンの期待や重圧の中で勝利が求められる立場は、石川のそれと重なる。クラブW杯で3戦全敗した動向をチェックしていた石川は「期待しかない。他の業界のプロのすごさを知りたいんです」。推しのアイドルを語るように目を輝かせた。
15分ほど話すと意外な名前が飛び出した。「槙野さんが監督をやっているYouTubeを見て、毎日泣いています」。元日本代表DF槙野智章(38)が率いる社会人サッカーチームの奮闘を伝える動画で「楽しみ過ぎて(数回分を)ためて見てます」とはにかんだ。
大敗後は「ゲームを捨てるな。もっとやれるぞ」。厳しくも愛あるゲキを飛ばす姿に「熱いのにクール。あんなかっこいい人いるんだ」と心をつかまれた。ゴルフは個人競技だが、選手はキャディーやコーチ、トレーナーらチームを束ねる“監督”とも言える。「士気を上げる言葉、マネジメントは尊敬です」。ゴルフ界で一時代を築きながら、別業界の槙野から成長のヒントを学ぶ姿勢にシビれた。
365日ずっと「石川遼」であり続け、いやが応でも注目と期待を集める。今季は出場8戦でトップ10入りなし。結果は今一つだが「調子は良い。自分の評価軸を持つこと。自分を見失ったら終わり」。自身に言い聞かせるような言葉は熱く、クールだった。(ゴルフ担当・星野 浩司)
◆星野 浩司(ほしの・こうじ)2008年入社。販売、芸能を経て、サッカー担当ではカタールW杯を取材。