プレーオフ制し永峰咲希が5年ぶり3度目V 復活遂げた30歳の次なる野望


5年ぶりの優勝に夫の田野聖和さんと記念撮影に納まる永峰(カメラ・堺 恒志)

5年ぶりの優勝に夫の田野聖和さんと記念撮影に納まる永峰(カメラ・堺 恒志)

◆女子プロゴルフツアー 資生堂・JALレディス 最終日(6日、神奈川・戸塚CC=6766ヤード、パー72)

 プロ12年目の永峰咲希(30)=ニトリ=が5年ぶり3度目の優勝を飾った。首位から出て2バーディー、ボギーなしの70で回り、通算9アンダーで並んだ木戸愛(35)=日本ケアサプライ=とのプレーオフ(PO)を3ホール目で制した。優勝賞金2160万円を獲得した。21年12月に宮崎放送勤務の田野聖和さん(29)と結婚後、初の優勝。球筋を左から右へ曲がり落ちるフェードに変える大改造を経て、復活Vを遂げた。

 気温33度の炎天下でPOを含む21ホールを締めるウィニングパットを沈め、永峰は安どした。「終わった…」。同学年の堀琴音らと歓喜のハグをした直後、優勝インタビューで「本当に長い5年だった。苦しいことの方が多かった中、周りの人が見捨てずにサポートしてくれて…。そのおかげで頑張れた」と涙。最後は夫・聖和さんとトロフィーを持ち、笑顔がはじけた。

 死闘だった。16番で7メートルのバーディーパットを沈めて単独首位に。だが、正規の18番で12メートルを決めた木戸に並ばれた。「何度も倒れそうで、頭がボーッとしてた。でも、ものすごい歓声が上がって目が覚めてアドレナリンが出た」。集中力を取り戻し、POを制した。

 20年に日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯でメジャー初制覇も「実力はまだないのに『メジャーチャンピオン』と言われた」と困惑した。この優勝で3年シード権を得たが、父・賢一さんに「そんなもん持ってるから甘えが出て、結果が出ないんだ」と活を入れられた。自らを追い込むため23年に行使し、今季が最終年。今回の優勝で来年のシードを得た。

 21年12月、宮崎日大高1年時に同じクラスの隣の席で交際を始めた聖和さんと結婚。リフレッシュは自宅で過ごす時間だ。永峰は料理が得意で「鶏つくねハンバーグが好き」と聖和さん。「結婚してから(永峰が)勝ててないと周りから冗談で言われてたので、払拭(ふっしょく)できた」と笑った。

 かつて松山英樹も師事した目沢秀憲コーチ(34)に20年オフから師事。試行錯誤と苦労の末、昨夏から球筋をドローからフェードに変えてショットの精度が増し「予選通過率が上がった」と復活の兆しが見えた。

 4月に30歳を迎えた。若手が台頭する中、昨オフに男子プロと合同トレで体力強化した。「30歳になって1勝できた。若い子たちに負けず、2、3、4勝目と複数回優勝したい」。永峰の野望は尽きない。(星野 浩司)

 ◆永峰 咲希(ながみね・さき)1995年4月28日、宮崎市生まれ。30歳。ゴルフは小学4年から。宮崎日大高2年時に全国高校選手権制覇。3年時に日本女子アマ8強。2014年夏にプロテスト一発合格。15年に賞金ランク39位で初シード獲得。18年のフジサンケイレディスで初優勝。21年12月に高校の同級生の田野聖和さんと結婚。158センチ、58キロ。

最新のカテゴリー記事