
ツアー初優勝をメジャー大会で果たした金沢志奈(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第2戦 ソニー日本女子プロ選手権 最終日(14日、茨城・大洗GC=6840ヤード、パー72)
プロ9年目の30歳、金沢志奈(クレスコ)が通算10アンダーで並んだ桑木志帆(大和ハウス工業)とのプレーオフを1ホール目で制し、ツアー初優勝をメジャーで飾った。優勝賞金3600万円を獲得した。
プレーオフをパーでしのぎ決着。スタンドの歓声を受け止めながら、涙があふれた。見届けてくれた“師匠”の申ジエ(韓国)と抱き合うと「ありがとうございました」と感謝の気持ちを伝え、2人でうれし泣きに暮れた。
1打差3位で出た最終組の金沢は、2番パー5で2メートルに寄せてバーディー先行。同組でスコアを落とした桑木、佐藤心結(みゆ、ニトリ)を逆転し、単独トップで前半を折り返した。後半は10番パー5で1メートルに乗せてバーディーを奪取し、一時は3打のリードを手にしたが、終盤に流れが急転。2打のアドバンテージを持って迎えた15番でボギーをたたき、バーディーとした桑木に並ばれた。プレーオフまでもつれたが、頂点に立った。
茨城・笠間市の実家から車で約30分の大洗GC。好プレーを見せる度に「ナイスバーディー!」など寄せられる地元ファンの声援を力に変え、好ショットを連発した。今季は2位が2回、3位が2回。あと一歩で逃してきた優勝をようやくつかんだ。
◆金沢 志奈(かなざわ・しな)1995年7月29日、茨城・笠間市生まれ。30歳。8歳から父の勧めでゴルフを始める。中央学院大時代に同郷の後輩・畑岡奈紗と出場した2015年の国体で団体優勝。同大3年時の16年に日本女子学生選手権を制すると中退し、17年7月のプロテストに一発合格し、同年の下部ツアーで1勝。25年は5月のSkyRKBレディスなど2位が2回。尊敬する選手は元世界ランク1位の申ジエ(韓国)。164センチ、53キロ。