
初の年間女王が決定した佐久間朱莉が祝福の花束を受け取る (カメラ・豊田 秀一)
◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス 第2日(21日、愛媛・エリエールGC=6595ヤード、パー71)
第2ラウンドが行われ、プロ5年目の佐久間朱莉(大東建託)が初の年間女王に輝いた。年間ポイントランク2位の神谷そら(郵船ロジスティクス)が第2日で予選落ちしたため、次週の今季最終戦を残して戴冠が決まった。
中学3年時から師事する男子ツアー94勝の師匠・尾崎将司に吉報を届けた。佐久間は「家族に一番感謝したいです。私のゴルフ人生を変えてくれたジャンボさんに報告に行きたい」と涙ながらに喜びを語った。
記者会見した佐久間の一問一答は以下の通り。
―最終18番。神谷の予選落ちが決まったのは把握していたか
「スコアを見てなかったので分からなかった。あがった時にギャラリーさんに『年間女王おめでとう』と言われて、『あ、終わったんだな』と思いました」
―年間女王の重みは
「ブリヂストン(レディス)で勝ってからずっと1位だったと思うけど、すごい長く感じたし、取りたい思いも強かったので、1試合を残して、早い段階で決まってよかった」
―インタビューで涙を浮かべていた
「去年の自分は勝てなくて苦しんでいた。そこの状態からここまでこられたのは想像もできていなかった。たくさんの方に感謝したい」
―年間女王はアマチュア時代から意識していたか
「小さい頃に『賞金女王になりたい』とどこかに書いてた。小さい頃からの夢が1つかなった」
―年間女王のプレッシャーをいつ頃から感じたか
「マスターズ(GCレディス)前は自分の調子も良くなかったので、ポイント差も詰められてたので、ちょっとは気にしてた。マスターズで自分が優勝してから余裕を持って、残りのシーズンを送れていると思う」
―パットの数字が伸びた要因は
「年間女王を取れたのはパッティングのおかげ。オフシーズンに向きのチェックをするよ�\x86になってからストロークが良くなってきて、悩みながらストロークすることがなくなった」
―師匠の尾崎将司への感謝は
「ジャンボさんのおかげで今シーズン4勝を挙げて、年間女王を取ることができましたたと報告に行きたい。4勝じゃなくて、5勝と言えるように頑張りたい」
―4月の初優勝を振り返って
「今シーズンは本当に自分に自信持って、今年こそは勝てると思ってプレーしてた。うれしい気持ちとホッとした気持ちが入り交じった優勝だった」
―成長を実感することは
「パッティングが一番成長した。前までは人と比べていたけど、自分のことに集中して、人は人、私は私と思うようになった」
―父・浩太郎さんは「オフは好きなことさせたい」と話していた
「まだ考えてないけど、どこか旅行に行きたい」
―今年は例年よりゴルフに集中していたか
「ほとんどゴルフばかり考え、オフもトレーニングばかり入れてた。旅行も行ったけど、ゆっくりする時間は少なかった」
―我慢していたことはあるか
「美味しいものたくさん食べて、景色のいいところ行きたい」
―負けず嫌い、努力を続けられると周囲の人は話している。その原動力は
「小さい頃から負けず嫌いで、ずっと戦うことは絶対に負けたくないタイプだった。ジャンボさんのところに行くようになって、陰ですごい努力している人がたくさんいる。そこに刺激を受けて、ジャンボさんのところを出てからはさらに自分でも努力できるようになった。ジャンボさんにいい結果を報告したい思いがどんどん強くなったので、それが今年は特に原動力になった」
―今季は休まず試合に出続けた。
「1週間休んでもどこかでゴルフをしてしまうので、試合に出て調整するのもありと思って今年はその選択をした。大きなケガがなかったのが一番良かった。トレーナーさんもしっかりケアしてくださったおかげで1年間戦えたと思う」
―人と比べず、自分は自分と思えたキッカケは
「特にないけど、前は、今回の場合なら『そらが優勝したらどうしよう…」と人の結果ばかりを気にして自分のプレーに集中できないこともあった。人の結果は自分でどうこうできないので、自分のプレーに集中しようと思えたことが今季の結果につながった」
―去年から変化したことは
「メンタルが一番変わったと思う。ゴルフではパッティングがシビアなところも決め切れたので、バーディーの数も増えてると思う」
―来年に向けて
「毎年勝てる強い選手になりたい思いがある。メジャーを勝ちたいので頑張りたい」
―海外挑戦への思いは
「海外は今のところ考えてないけど、スポットで出られたらと思う」
―昨夏からトレーナーの指導を受けて、体は変わったか
「一番変化したことは腹圧だと思う。だいぶお腹は硬くなったと思う」
―腹圧はどんなトレーニングをしているのか
「ストレッチポールの上に乗って、足を上げ下げしてる。腹筋と一緒だと思うけど、ただの呼吸でも腹圧を気をつけてやってる。ブレが少なくなった」
―トレーニングの効果は
「1年間、試合に休まず出たいという思いをしっかりかなえてくれるトレーナーさんだと思う。トレーナーさんとキャディーさんは一番、信頼を置けていると思う」
―来年も国内ツアーを主戦場としながら、米ツアーの予選会を受ける考えは
「ないとは断言しないと思う。メジャー(に出るの)は今年より増えると思う。そこで魅力をもっと感じたら挑戦する選択肢になると思う」

