
18番、優勝パットを決めガッツポーズする堀琴音 (カメラ・豊田 秀一)
◆女子プロゴルフツアー 国内メジャー第3戦 日本女子オープン 最終日(5日、兵庫・チェリーヒルズGC=6616ヤード、パー72)
堀琴音(ダイセル)が3年ぶり3勝目、メジャー初優勝を飾った。5バーディー、1ボギーの68で回り、通算19アンダーで制覇し、優勝賞金3000万円を獲得した。最終18番パー5をパーで沈めて優勝が決まると、両腕を天に突き上げ、全開の琴音スマイルがはじけた。
大雨が降りしきる中、15歳アマチュアの広吉優梨菜(福岡第一高1年)と最終組で2サム(2人1組)でスタート。トップの位置が高い縦振りの独特なスイングを武器に好ショットを連発した。
プロ3年目の2016年大会。最終日の前半9ホールを終えた時点で首位に立ったが、後半に3ボギーをたたき、71と伸ばせず。当時17歳アマチュアで初優勝した畑岡奈紗と1打差でプロ初Vを逃し、悔し涙を流した。
アマの広吉と競り合うシチュエーションは当時と同じだったが、勝ち切った。
優勝者インタビューで勝利の瞬間を聞かれると、時折、涙声になりながらも「この景色を夢見て頑張ってきた。やっぱり9年前に負けたことが心の中でモヤモヤがのこってた。女子OPで勝つことが認められる感じがした。試合を勝つために頑張ってきたので本当によかった」と10年越しの思いをはき出した。
2位以下には2打差をつけての19アンダーで制覇。追いかけられる立場になった最終日を「下を見ちゃいけない 目指せ20アンダー! という気持ち。 とにかく20アンダーに近づくことを考えて頑張った」と闘った。
前夜は相当緊張したようで「昨日の夜から眠れなかったし、食事も(のどを通らず)無理矢理食べた。きのうの夜からものすごく緊張していました」と振り返った。
9年前からの歩みも振り返り、「あれから山あり谷あり。シードも落とた。まっすぐ(ボールが)飛ばない。パターも寄らない。本当に絶望的だった。絶望的なところから頑張れたことが、きょうの18ホールを乗り越えられた」と語った。
◆堀 琴音(ほり・ことね)1996年3月3日、徳島市生まれ。29歳。7歳からゴルフを始め、兵庫・滝川二高1年で国体優勝。3年時に日本ジュニア選手権15~17歳の部優勝。2014年8月にプロ転向し、下部ツアーの京都レディースで優勝。22年のニッポンハムレディスでレギュラーツアー初優勝&史上2組目となる姉妹Vを達成。165センチ、56キロ。