
優勝トロフィーを掲げる下家秀琉(カメラ・高木 恵)
◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック 最終日(5日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)
ツアー参戦2年目の下家秀琉(しもけ・すぐる、23)=エレコム=が大会レコードに並ぶ通算17アンダーで今季9人目の初優勝を果たした。1イーグル、7バーディー、2ボギーの64をマークし、第2日からの首位を守った。2人の兄もプロゴルファーという「下家3兄弟」の末っ子が、今季メジャー最終戦、日本シリーズJTカップ(12月4~7日、東京よみうりCC=報知新聞社主催)の初切符を手にした。
はにかみながら、下家が両手を突き上げた。須藤大和キャディーが男泣きに暮れる隣で、初優勝の23歳はまだ戦っていた。マイクは苦手。優勝スピーチはプレー以上に緊張した。「これは現実なのかな、と思えるくらい夢のよう。最高です。名前がすごく難しいけど、覚えてくれたらうれしいです」。初々しさを、温かな拍手が包んだ。
初の最終日最終組は自分との闘いだった。「緊張はあったけど、出したら負けるなと思って出さないようにしていた」。ポーカーフェースが唯一、感情をあらわにしたのが15番パー5だった。グリーン右からのチップインイーグルに右拳を振り下ろした。「ガッツポーズは試合では初めて。自然と出た。なんかきもいなと思いました」と恥じらった。
アマチュアだった2019年に初出場した思い出の大会でツアー1勝を挙げ、初の日本シリーズJTカップ出場権も得た。ショットメーカーは「ずっと出たかった。今季の目標にしていたのでうれしい。優勝できるように頑張りたい」と最終戦を待ちわびた。2人の兄の影響でゴルフを始め、すぐにのめり込んだ。「今日良くても次の日がだめだったり、だめでも良くなったりする。それを追求するのが楽しい」と語り、趣味も「ゴルフ」と言い切る大器。伸びしろを存分に発揮し、勝利を重ねていく。(高木 恵)
◆下家 秀琉(しもけ・すぐる) 2002年2月23日、大阪・枚方市生まれ。23歳。ともにプロゴルファーの長兄・秀翔(27)、次兄・秀平(25)の影響で5歳でゴルフを始める。大阪学院大高3年時の19年関西ジュニア優勝。23年11月にプロ転向し、24年5月のバイ・ザ・プレーヤーズでプロデビュー。同年9月の下部ツアー、PGMチャレンジで最終日に59をマークし24アンダーで優勝した。趣味はゴルフ。憧れのプロは岩田寛。180センチ、85キロ。