
練習場で「ただいま」とばかりにカメラに手を振る原英莉花(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ プロアマ戦(9日、静岡・東名CC=6435ヤード、パー72)
米下部ツアー年間ポイントランク5位に入り、来季の米ツアー出場権を獲得した原英莉花(NIPPON EXPRESSホールディングス)が9日、練習後に取材に応じ、約11か月ぶりの国内ツアー参戦となる今大会へ意気込みを語った。
国内ツアー5勝、26歳の原は昨年12月の米ツアー最終予選会を突破できず。それでも、今季は国内ツアーの単年シード権を放棄し、米下部ツアーに参戦した。8月のワイルドホースレディースクラシックで同ツアー初優勝。年間ポイントランキング5位となり、来季の米レギュラーツアー昇格を決め「ホッとしてる気持ちと、引き締まってる気持ちの2つがある」と語った。
原の一問一答は以下の通り。
◆原英莉花に聞く
―8日に帰国。疲れは。
「全然疲れてないです」
―米ツアー昇格を決めた心境は。
「ホッとしてる気持ちと、引き締まってる気持ちの2つがある」
―当初、昇格できると思ってたか。
「絶対にしないとと思っていた。スポンサーさんに後押ししてもらって挑戦できた。絶対にここは通過していかないとという気持ちと、自分の年齢的にもラストチャンスかなという気持ちで戦った」
―米国に行った目的や達成感は。
「久しぶりにゴルフが楽しいと思って1年間戦えた。去年までになかった感覚を取り戻せた。1年間アメリカを転戦する中、チームの中での段取りが勉強になった。今季は3日間競技がほとんどで、4日間に比べると瞬発みたいな感じだった。移動の手段や手配など勉強になった」
―ゴルフが楽しいというのは、挑戦している感覚か。
「昨年までのイメージもなかったし、自分の可能性は過去の記憶に邪魔されずに前向きにできた」
―日本でやっていたら飛距離が伸びないから米国に行くと話してた。米国で伸びたか。
「去年より30ヤードくらい伸びた。腰の回復も、クラブの面もあるかもしれないし、トレーニングをすごいハードに入れたのも大きい。去年がキャリーで235ヤードくらいまで落ちたので、そこが普通に戻った」
―原らしいゴルフが戻ったか。
「アメリカではそういう感じだったけど、どうかな~。あんまり期待しないかな~」
―米下部ツアーは観客が少ない。
「最初は『え、こんなもん?』みたいな。ローピングも1試合しかなかったから、マジか~と思った。ずっと予選会をやってる感じだった」
―コースは荒れてたか。
「それもあった。でも、前評判より良かった。練習環境もいくつか『おやおや?』というのもあったけど、苦ではなかった。1回、黄色い軽いボールの時があった。それで池に向かって打った。ちょっと嫌だったけど、朝そんなに練習しないので、何とかなった」
―移動や生活面の苦労は。
「帯同したマネジメントの人が車の運転を10時間とか、料理も作ってもらって、私は恵まれてた。大変さを見せずにやってくれて、前向きにプレーできた」
―米国でビックリしたことは。
「車の移動で3時間くらいず~っと山! グランドキャニオンの裏みたいな道だった。あと、ず~と5時間くらい牧場みたいな。今回、私は国際免許を持って行ってなかったので、来年は持って行こうかな」
―1年間の成長は。
「自由に過ごしてた。ウェアでも外を歩けるし。成長はしてないかも。ありのままの自分みたいな感じでやってた。たくましくなったか? あんまりないかな。そんなに人は変わらないですよ(笑い)」
―打ち方が分からないラフは。
「あった。こういう打ち方できたらいいんだろうなは一個ある。その打ち方の選手はけっこういて不思議だけど、それも自分は取得できないといけないかな。ハンドファーストでフェース返さない感じ」
―師匠の尾崎将司には報告したか。
「昨日帰ってきてすぐにお会いしに行った。夜7時すぎ。『ほ~ん、出れんのか…』みたいな感じ。私がうれしかった。自分から求めて、ハグしてもらいました」
―師匠を驚かせたい気持ちは。
「あるかも。結果で感謝を伝えたい」
―日本勢の米ツアーの活躍は刺激になるか。
「ファンの人みたいな感じで見てる。私はやりたいことやってるので、焦りはない」
―下部ツアーのレベルは。
「思ってたより高かった」
―平均ストロークは唯一の60台。バーディー率も1位だった。
「バーディーいっぱい取れたのはうれしい。バーディー取れないとビッグスコアを取れないから」
―大勢の日本のファンに見てほしいところは。
「期待されるとソワソワするので、普通に見てもらえたら」
―このコースは。
「あまり得意じゃない。グリーンは難しいし、4パットしたイメージがある」
―今週、パターを変えた。
「前回送ってもらった中に入ってたけど、構えた感じが良かったけど、シャフトが合わなかったので日本でトライしてみた」
―今大会の目標は。
「やっぱり優勝!」