
プロアマ戦で最終調整した大岩(カメラ・渡辺 朋美)
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 25年シーズン最終戦 メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ プロアマ戦(3日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
男子プロゴルフツアー今季最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップが4日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で行われる。前週初優勝を飾った賞金ランク4位の大岩龍一(27)=フリー=が3日、プロアマ戦で最終調整した。賞金トップの金子駆大(こうた、23)=NTPホールディングス=とは約3296万円差で、戴冠(たいかん)には優勝が絶対条件。同3位の蝉川泰果(24)=アース製薬=を含む3人の争いを制し、史上初となる初Vから2週連続優勝での逆転賞金王をつかむ。
賞金王を巡る三つどもえ決戦。金子、蝉川とともに優勝カップに手をかけた大岩は、トレードマークの口ひげを触りながら笑みを浮かべた。初Vから2週連続優勝で逆転戴冠なら史上初。「自分がなれるわけないと思っていた。その資格があることに驚いている。調子は悪くないので、作戦を立てて実行するのみ」と堂々と言い切った。
最終戦Vでの逆転賞金王なら史上3人目。2000年の片山晋呉、17年の宮里優作といずれもランク2位からまくり、同4位からの逆転なら、こちらも史上初だ。トップと約3296万円差は最大差逆転となり、記録ずくめの快挙となる。大岩は「チャンスですよね。でも、常に平常心で臨みたい」と強調した。
優勝したい理由はもう一つある。東京・堀越高1年から師事し、ツアー31勝の片山晋呉を指導したことで知られる谷将貴コーチは前週で教え子が通算28勝目となった。大岩は「あと2勝で“永久シード”ですねと話していた。ただ、(教え子で)2週連続優勝した選手はいない。『勝てよ』ってことかな」。恩師の節目の30勝に今大会で王手をかけるつもりだ。
前週に優勝後は約300件の祝福メッセージが届き、「すごくうれしかった」。会場の高知から帰京後、1日夜には親友の片岡尚之や谷コーチらと祝勝会を開いた。翌朝4時まで飲み明かし「疲れはあるけど、体より心のリフレッシュが大事」と自身に言い聞かせた。
プロ7年目の今季は、3月に首都高速で追突事故に遭い背中を痛め、夏には膝の痛みや逆流性胃腸炎に苦しんだ。「最後まで来られた驚きもある。いい締めくくりにしたい」。波瀾万丈の1年を勝利で締め、逆転キングをかっさらう。(星野 浩司)

