【JTカップ】牧野裕氏 初V小木曽喬が見せた「総合力」勝負を分けた難しいグリーンへの対応


ウィニングパットを決めてガッツポーズする小木曽

ウィニングパットを決めてガッツポーズする小木曽

◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー 25年シーズン最終戦 メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 最終日(7日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)

 最終日は風が穏やかでピン位置も難しくなく、4日間で一番伸ばせる条件だった。宋、吉田と首位に並んで出た小木曽は、6番でグリーン右からのチップインイーグルで単独首位に立って勢いづいた。勝負の分岐点は吉田と首位に並んで迎えた12番だろう。ドライバーで左に大きく曲げたピンチ。4メートルのパーパットをしぶとく沈めて、流れをつかんだ。直後の13、14番でピンそばにつけてバーディーを奪い、ベストスコアの65。難しいグリーンに対しての総合力の勝利と言える。

 賞金王争いは後半までどうなるか分からない白熱の展開だった。賞金ランク1位の金子が2連続ボギー発進。3位以内に入り、自力で決めるのが困難な状況に。逆転賞金王へ勝つしかない蝉川は首位と3差で前半を折り返すと13、14番で決めたいバーディーパットが入らず。攻めるしかなくなった続く15番の第1打で勝負が決した。グリーン奥のピンまで届く7アイアンを握ると、追い風に乗ってグリーン奥へ。攻めた結果のトリプルボギーだった。

 25試合で11人の初優勝者が誕生した今季。金子はコンパクトなスイングで安定感があり、毎試合上位でプレーしたのが賞金王につながった。23歳と若く、来年は海外での活躍も期待したい。(プロゴルファー・牧野 裕)

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