小祝さくら単独インタビュー前編「10ヤードが限界」から「ここ1か月で急成長」 開幕戦で7か月ぶり復帰


ハワイのゴルフ場で、練習の合間に浮輪に収まる小祝さくら(提供写真)

ハワイのゴルフ場で、練習の合間に浮輪に収まる小祝さくら(提供写真)

 女子プロゴルフツアー開幕戦のダイキンオーキッドレディスは、5日に沖縄・琉球GCで初日を迎える。昨年7月に左手首を痛め、残りのツアーを全休した小祝さくら(27)=ニトリ=が2日までにスポーツ報知の単独インタビューに応じ、約7か月ぶりの実戦を前に思いを語った。ツアー通算12勝の実力者は復帰イヤーを「未知の世界」と表現。すべてを受け入れ、楽しみながら前に進んでいく。(取材・構成=高木 恵)

 1月中旬からハワイで1か月、2月には宮崎で1週間の合宿を敢行した。小祝は復帰までの道のりを、一歩ずつ確実に歩んできた。

 「昨年はずっと休んでいたので、そこからは一転して、忙しく感じています。ギャップがすごい。今のところは痛みもなく大丈夫」

 優勝翌週の大東建託・いい部屋ネットレディス中、左手首に激痛が走った。第2ラウンド途中で棄権。残り試合全休を決めた。

 「もっとゴルフをやりたくなると思っていたんだけど…。クラブをこんなに握らなかったことがないから、振りたくなるんじゃないかって思っていたのに、全くならずでした。逆に全然クラブを握りたくないって最初になって、あ、一瞬ですよ(笑)」

 戦闘モード突入への変化は、突如訪れた。

 「12月になったら早くゴルフがやりたいなって。早く復帰したいなって思うように、なぜか急になりました。自分の中で勝手に切り替わりがあった。けっこうモチベーションは高いまま今まで来られています」

 例年の同時期と比べても、より高い意欲を維持できている。

 「今年はいつもとは全然違うので、初めての感覚。これだけゴルフを休んだのも、けが明けっていうのも初めてなので、実際期待しないところもあるし。ダメでもしょうがないという気持ちもあるけど、でもやっぱりそれを分かっていても、頑張りたいなとか、復活したいなっていう気持ちが意外と強くありました。そこがモチベーションにつながったんじゃないかな」

 9月に内視鏡による手術を受けた。術後、麻酔が切れてからは苦しかった。痛みで眠れない夜が2~3週間続いた。

 「もう激痛。想像を絶する痛さ。手術ってこんな痛いんだって思いました。痛み止めを飲んでも、全然もう効きめゼロ。こんなに痛くて本当に治るのかなって不安になったり。間に合うのかなとか、この痛みが本当に取れるのかなって半信半疑で過ごしていました」

 ギプス生活は8週間続いた。

 「想像以上に大変で。お風呂に入る時も手を上げて入らないといけないから、首が凝ったり。肩こりも半端なかったです。こんな痒いの?と思ったり。本当に外れた時の解放感はすごかった。筋肉はゼロで皮だけになっていましたけど」

 フルショットは1月に入るまで控えたが、昨年12月に少しだけ球を打ってみた。4か月ぶりにクラブを握り、愕然とした。

 「全然もう話にならなかった。当たらなすぎて。チョロとかシャンクとか、ド素人みたいな球が出ました。10ヤード、20ヤード飛ばすのが限界というか、痛すぎて。本当に初心者みたいだなと。うれしいとか楽しいは全然なかったです」

 1月3日からフルショットを解禁した。

 「飛距離がもう全然落ちていて。けっこうショックを受けました。こんなに落ちるの?みたいな」

 まあまあ振っているつもりが、飛ばない。

 「220ヤードぐらいいっているだろうと思ったドライバーショットが180ヤードとか。ギャップがありました。200ヤードもいかないんだ…って」

 同18日からのハワイ合宿で初めて芝から打ち、手首に負担がかかるバンカーショットも、医師の許可を得たうえで再開。5か月ぶりにコースを回った。

 「最初のラウンドは、しっちゃかめっちゃかの方向に飛んでいきました。今はその時に比べて全然すごいいい感じ。ここ1か月で、急成長したと思います。それまではあまり進歩が見えなくて不安な感じで過ごしていたけど、本当に一気にハワイでうまくいくようになって。ゴルフが、さまになってきたなって感じがします」

 恒例のハワイ合宿は、仲が良い竹田麗央と今年も一緒に汗を流した。

 「麗央ちゃんと最初に回った時、ひどいゴルフだなって思いながらやっていたけど『前と全然変わらないですよ。想像していたよりも全然打てているし、悪くないです』って言ってくれて。でも麗央ちゃんがめっちゃいいゴルフをしていたので。めっちゃベタピンつけたりとか。それを見ながら『すごいな』とか。『ああいう球いいなあ』とか。ギャラリーみたいになっていました(笑)」

 (後編に続く)

◆小祝 さくら(こいわい・さくら)1998年4月15日、北海道・北広島市生まれ。27歳。8歳でゴルフを始める。飛鳥未来高卒業後の2017年、プロテストに一発合格。19年7月のサマンサタバサレディースで初勝利。昨季は7月の明治安田レディスを制し、7年連続優勝。故障により出場はシーズン半分の18試合にとどまるも、メルセデスランキングは14位。ツアー通算12勝、生涯獲得賞金8億2745万404円。趣味は音楽、ライブ、食べること。158センチ。

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