佐久間朱莉、師匠・ジャンボ尾崎さんにささげる開幕戦優勝 前年女王の開幕Vは23年ぶり2人目


開幕戦で勝利し笑顔を見せる佐久間朱莉(カメラ・太田 和樹)

開幕戦で勝利し笑顔を見せる佐久間朱莉(カメラ・太田 和樹)

◆女子プロゴルフツアー開幕戦 ダイキンオーキッドレディス 最終日(8日、沖縄・琉球GC=6610ヤード、パー72)

 昨季の年間女王・佐久間朱莉(23)=大東建託=がツアー通算5勝目を飾った。単独首位から出て3バーディー、1ボギーの70で回り、2位の永井花奈(28)=ServiceNow=に1打差の通算16アンダーで逃げ切った。優勝賞金2160万円を獲得。1988年ツアー制施行後、前年女王の開幕戦Vは2001年、03年の不動裕理以来、23年ぶり2人目の快挙。昨年12月23日に死去した師匠で男子ツアー最多94勝の尾崎将司さん(享年78)にささげた。

 師匠にささげるように、佐久間は右手を天に突き上げた。最終18番で1・5メートルのパットを決め、2位の永井に1打差で逃げ切りV。昨年12月に尾崎さんが死去してから、初めての大会を制し「心の支えがポッカリ空いて、寂しい気持ちだった。4日間はジャンボさんが見守ってくれてたと思う」と涙ぐんだ。

 初の年間女王に輝いて迎えたオフの12月23日。中学3年から師事した恩師の悲報が届いた。信じられず自宅の部屋にこもって数時間、泣いた。「ご飯もなかなか食べられない日が続いた」。ただ、「家に閉じこもってくよくよしてたらジャンボさんに怒られる」と思い直し、目を真っ赤にはらしながら練習を再開。尾崎さん宅を訪れた際には、ジャンボ愛用のサンドウェッジを譲り受けた。SNSにその写真とともに「優勝するたびにドンペリ開けて乾杯しましょう」と記し、前を向いた。

 記録ずくめの4日間だった。2日目に自己最少&大会コースレコードの62で首位に浮上。3日目は開幕から44ホール連続ボギーなしの新記録を打ち立てた。オフの米合宿でスピンコントロールを磨いたショットで沖縄の強風を攻略した。4打リードで臨んだ最終日は1番で4メートル、3番で8メートルを沈め「苦しいと思った場面はなかった」。前年女王の開幕戦Vは23年ぶり2人目で「素晴らしい不動さんの成績に並べてうれしい」と喜びをかみしめた。

 16日に都内で行われる師匠のお別れの会に出席し、5勝目を報告するつもりだ。「ジャンボさんには『まだ始まったばかりだぞ』と言われるんじゃないかな。頑張るので見守っていてほしい」。生前に交わした「メジャー制覇」「今季5勝」「2年連続の年間女王」の約束。悲しみを乗り越えた佐久間が、その第一歩を刻んだ。(星野 浩司)

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。23歳。父の影響で3歳からゴルフを始める。19年日本ジュニア2位、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、同6月のプロテストにトップ合格。25年KKT杯バンテリンレディスで初優勝。同年に4勝を挙げ、初の年間女王に輝く。好きな歌手は平井大。好きな言葉は「笑う門には福来たる」。155センチ。家族は両親と兄。

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