
小藪誠人キャディー(右)と記念撮影をする河本結
◆女子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 報知新聞社後援 ワールドレディスサロンパスカップ 最終日(10日、茨城GC西C=6718ヤード、パー72)
河本結(リコー)が自身初のメジャー制覇を達成した。2位で出て1イーグル、4バーディー、4ボギーの70をマーク。通算1オーバーの逆転で、昨年10月以来の通算5勝目を挙げた。1998年度生まれの「黄金世代」のメジャー優勝は5人目(畑岡奈紗、原英莉花、勝みなみ、渋野日向子)。目標の年間女王へ、弾みをつける大きな1勝となった。
プロ9年目でつかんだメジャー初Vの背景には、同じ27歳の相棒・小藪誠人キャディーの支えがあった。
「勝負の決め手になった」。そう振り返るのは、5組前の鈴木愛と首位で並び、「絶対にバーディーを取りたい」と臨んだ17番パー5の第2打だった。河本のティーショットは左ラフへ。ピンまで240ヤード。球は長い芝に沈んでいたが、ライは悪くはない。前の組の進行を待つ間に2人で数分間、クラブ選択について話し合った。
河本はユーティリティーでグリーン近くまで運ぶことを最初に考えたが、アイアンで刻むべきかどうか迷った。ピンは手前から上って下る奧めの位置に切られ、風はフォロー。「ラフからのアプローチは絶対に難しくて寄らないよね」。小藪キャディーの意見も交え、7アイアンを選んだ。残り86ヤードのフェアウェーへ運び、3打目を30センチにからめてバーディーを奪取。「結ちゃん自身も冷静にジャッジしてた。狙い通りのマネジメントだった」と優勝をグッと引き寄せた。
男子ツアーでは、主に鍋谷太一のバッグを担ぐ小藪キャディー。2024年の日本シリーズJTカップで弟・河本力のキャディーを務めていた結と関係者を通じて知り合い、昨年のアクサレディス宮崎からタッグを組み始めた。昨季の2勝を含め、1年半足らずで2人で3勝を飾ってきた。
昨年8月の北海道meijiカップは最終日の15番�\xA7ショットインイーグルを決め、10月のスタンレーレディスホンダは最終日が濃霧の影響で変則9ホールに短縮された中で優勝。「実力に加えて、運が良かった部分もある」と小藪キャディーは言う。
今大会はメジャー仕様の難コース。3日目は最大瞬間風速14・9メートルの強風が吹き荒れ、全員がオーバーパーと苦戦する中で制した。「今回はラフで球が埋まっていたりアンラッキーも多かったけど、結ちゃん自身が技術、メンタル、実力でねじ伏せた。今週の勝利は今までと違う」とうなった。
河本の強さを「ストイック」と評する。「ゴルフ場に来て練習するだけが練習じゃない」が信条。4日間大会であれば同週の月・火曜日から練習ラウンドを行う選手が多いが、今週は火曜日午後に会場に来てアプローチ・パター練習のみ。コース外での筋力やメンタルトレーニングに励み、食生活の改善など、ゴルフで勝つための追求を惜しまない。「アライメントが崩れたらスイングも崩れるので、ゴルフ場以外でも歩き方の姿勢や手と脚の振り幅まで気をつけてる」と明かす。
甘いマスクと冷静な判断力を持つ小藪キャディー。タッグ1年目の去年は「気を使いながらサポートしてた。結ちゃんの意見を優先し、逆の意見を言うことは少なかった」と振り返る。だが、今年は「結ちゃんを尊重しながら、逆の意見も言えるようになった。結ちゃんと僕の2つの脳でマネジメントができるようになった」と明かした。
硬くて速いグリーン、深いラフ、吹き荒れる強風…。河本をサポートし冷静だった。「セッティングが厳しくてジャッジが難しい時は、選手の考えだけでいくと致命的なミスが起こることもある。去年の2勝があって信頼関係があったからこそ、結ちゃんも僕を信頼して意見を聞いてくれた」。より強い信頼関係を築き、目標の年間女王に向けて2人で歩み続ける。(星野 浩司)

