
優勝トロフィーを掲げる加藤麗奈
◆女子プロゴルフツアー 大東建託・いい部屋ネットレディス 最終日(26日、福岡・ザ・クイーンズヒルGC=6485ヤード、パー72)
プロ2年目の加藤麗奈(ヤマエグループHD)が5バーディー、1ボギーの68で回って通算22アンダーで逃げ切り、涙のツアー初優勝を飾った。19歳143日での初優勝は年少14位。22アンダーは初優勝者の最多アンダーパー記録となった。2024年のプロテストで左くるぶし下の疲労骨折を抱えながら一発合格を果たしたド根性娘が、総バーディー数1553個(イーグルは含まない)のツアー記録が誕生した歴史的な伸ばし合いを制した。
この日初めて、加藤が感情をあらわにした。最終18番。2メートルのパーパットをねじ込むと、何度も右拳を握った。初優勝者の最多アンダーパー記録を1打更新する22アンダーで逃げ切り「苦しかった。やっと終わった」。19歳の頬を涙が伝った。4日間終了時の全員アンダーパーは24年大会以来ツアー史上2度目。35・2度まで気温が上昇した真夏の福岡で、歴史的バーディー合戦を制した。
前半で5つスコアを伸ばし、1打差の単独トップで折り返したが、後半にショットが乱れだした。13番で第1打を左に曲げ4オン1パットのボギーをたたき、皆吉に並ばれた。14番もピンチに陥った。「ここで外したら終わりだな」。覚悟を決めて2メートルのパーパット沈め、食らいついた。
ド根性娘だ。2024年のプロテストは左くるぶし下の疲労骨折を抱えながら一発合格。ツアーに同行し、この日も優勝を見届けた母は「負けず嫌い。棄権も考えていたけど、『出る』と本人が譲らなかった。根性を感じた」。3週前の資生堂・JALレディスは第1ラウンドを12位で終えた深夜、嘔吐が止まらなくなった。食あたりだった。「6回吐いた。全部出た。でも絶対に出たかった」。翌朝病院で点滴を打ち、スタート50分前にコース入り。最終日まで完走した。体重は今も2キロ減ったままだ。
大好きなONE OK ROCKの「PARTY’S OVER」が勝負曲。最終日もコースへの車中で聴きながら気持ちを奮い立たせた。「10代のうちに優勝したかった。3月生まれなので今季もチャンスがあると思っていたので、うれしい。2勝目、3勝目と頑張りたい」。白の優勝ジャケットを羽織る自分をイメージし、赤いウェアを選んだ。青空の下、笑顔とともに紅白のコーディネートが映えた。(高木 恵)
加藤麗奈(かとう・れいな)
▼生まれ 2007年3月5日、兵庫・三田市。19歳
▼学校 ルネサンス大阪高―日本ウェルネススポーツ大2年
▼ゴルフ 10歳の時に両親の影響で始める。「楽しいとは思っていなかった。連れて行かれていた」が中学3年の頃にプロを意識
▼経歴 24年のプロテストに一発合格。25年7月のロイヤルメドウカップで下部ツアー優勝
▼得意クラブ アイアン
▼目標 海外メジャー2勝の高真栄(韓国)
▼師匠 藤井かすみ
▼性格 「負けず嫌いだけどめっちゃ大ざっぱ」。周囲からは「真面目」の声
▼推し 「ONE OK ROCK」。「去年6月ぐらいに友達に教えてもらって、めっちゃはまった」
▼家族 両親。父は医者
▼サイズ 1メートル57センチ、55キロ

