【竹内が試した】「ゼクシオ」だから安心!12月5日発売9代目モデル


カレドニアンGCの超高速グリーン。下りのパットは触るだけ

カレドニアンGCの超高速グリーン。下りのパットは触るだけ

 日本のゴルフクラブの絶対王者と呼ばれる「ゼクシオ」(ダンロップスポーツ)の9代目モデルが、12月5日に新発売される。初代モデルが発売された2000年以来、8代にわたり、16年連続でブランド別での国内売り上げ1位を記録(矢野経済研究所調べ)。アマチュアゴルファー、ライバル各社も注目のゼクシオ9を「口だけシングル記者」が名門カレドニアンGC(千葉・横芝光町)で試した。

 ダンロップスポーツを除くゴルフクラブメーカーの多くは、新しいクラブ(特に高級モデル)を売り出す時「打倒ゼクシオ」を掲げる。それほど、ゼクシオの存在感は絶大だ。9代目の「ゼクシオ9」は12月5日の発売を前にアマチュアゴルファーの間で大きな話題になり、他のメーカーはその動向を見守っている。

 腕は未熟だが、道具にはうるさい「口だけシングル記者」も当然、注目。ドライバー(ロフト角10・5度、シャフト硬さS)と6アイアンを拝借し“王者”ゼクシオの試打にふさわしい名門のカレドニアンGCへ。絶好の舞台で真剣に好スコアを狙いにいった。

 10番パー4からスタート。朝イチは常に緊張する。ただ、この日は構えた瞬間、グッドショットが出る気がした。これがゼクシオのブランド力のなせる業なのか。イメージが良くなれば体がリラックスする。ゼクシオ9のドライバーから放たれたボールはフェアウェーの真ん中をとらえた。

 6アイアンも好調だった。15番、短めのパー5の第2打は残り200ヤード。いつもなら無理して3ウッドを振り回すところだが、6アイアンでフェアウェーにきっちり刻んだ。その結果、第3打はピン右奥3メートルへ。惜しくもバーディーは逃したが、スマートなコース戦略で会心のパーで上がった。

 ハイライトは18番パー5。ティーグラウンドの前に大きな池が広がる名物ホールだ。ターゲットラインは右斜めに設計されている。つまり、ティーショットで右を向くほど池越えの距離が長くなる。その分、グリーンまでの距離は短くなるが、当然、池ポチャのリスクは高まる。スライスは絶対に禁物だ。私は池越え200ヤードのラインを選択。狙いより右に飛び出し、ヒヤッとしたが、つかまったボールは楽々と池を越え、約250ヤード地点のフェアウェーをとらえた。新開発されたカップフェースのスイートエリアが先代のゼクシオ8より10%拡大し、ダンロップスポーツの計測データによると飛距離が5・5ヤードアップしたという。なるほど。飛びを実感した。

 だが、しかし。好事魔多し。後半、雨脚が強くなると、途端にプレーが乱れた。あれこれと考え過ぎて大崩れ。前半、80台を狙えるスコアで折り返したにもかかわらず、まさかの“100たたきの刑”を食らった。

 ゼクシオは16年連続で売り上げNO1を誇る。2000年の初代から変わらない基本理念「飛び」「やさしさ」「爽快な打球音」が人気を支える。さらに2年周期のモデルチェンジを徹底していることも見逃せない。新モデルの発売は2年に1度と決まっているから、ゼクシオのファンは“浮気”をせず、お小遣いをためて奇数年の12月を待つ。他のブランドが1年、あるいはもっと短い間隔でモデルチェンジされる中、その我慢強さは特筆だ。

 雨が降り、あえなくスコアを崩した「口だけシングル記者」は心の底から思った。ゼクシオの我慢強さを見習いたい、と。(竹内 達朗)

 ◆カレドニアン・ゴルフクラブ 1990年開場。コース設計はマイケル・ポーレット氏。フルバック7056ヤード、レギュラー6186ヤードのパー72。池と白い砂のなぎさバンカーが巧みに配置された戦略的、かつ美しいコース。ベントの1グリーン。マスターズ会場のオーガスタナショナルGCと同等の超高速グリーンを実現するため、実験用のグリーンに5種類の芝と4種類の肥料をかけ合わせ、計20通りの中から最善の組み合わせを厳選。2000年に日本プロ開催。12月のプレー料金(キャディー付き基本プラン)は平日1万8200円、土日祝日2万7900円(いずれも税、食事別)。所在地は千葉・横芝光町長倉。千葉東金道路・松尾横芝ICから約1キロ。予約、問い合わせは同GC(TEL0479・82・6161)まで。